2025.04.19

理学療法士の給与交渉｜現場での価値を正しく伝えるための戦略と具体例

ライト

理学療法士（PT）として働くなかで、「今の給料は仕事内容に見合っているのか？」「転職を考えているが、給与交渉はどう切り出すべきか？」と感じることはありませんか？
医療・福祉現場では年功序列的な給与体系が多い一方で、スキルや経験、専門性によって報酬に差がつく職場も増えてきています。

この記事では、「理学療法士給与交渉」というキーワードをもとに、給与交渉を行うタイミング、伝え方、交渉を成功させるためのポイント、現場別の注意点、実際の交渉例までを詳しく解説します。

Contents

理学療法士が給与交渉をするべき場面とは？
給与交渉において伝えるべき主な理由（理学療法士編）
給与交渉の伝え方｜転職時の例（面接または内定後）
- ▶ 伝え方の例（口頭またはメール）
現職での給与交渉の進め方（病院・施設の場合）
給与交渉が難しい職場での対応
実際の給与交渉成功例（理学療法士）
- ▶ ケース①：訪問リハビリに転職した30代男性
- ▶ ケース②：総合病院勤務の20代女性
注意点｜理学療法士の給与交渉でやってはいけないこと
まとめ｜理学療法士としての給与交渉は「準備力」と「伝え方」で決まる
- ✅ 最後に押さえておきたいポイント

理学療法士が給与交渉をするべき場面とは？

給与交渉は、あらゆる場面でできるものではありません。
以下のような「評価や条件が変わる転機」に合わせて行うのが効果的です。

✅ 転職時（面接後または内定後）

→ 条件提示後に、前職との比較や業務内容を踏まえて交渉しやすい。

✅ 契約更新時（非常勤・嘱託など）

→ 更新条件を見直すタイミングは、交渉のチャンス。

✅ 昇進・業務範囲の拡大時

→ 後輩指導・外来業務追加など、責任が増えた場合は再評価を求めやすい。

給与交渉において伝えるべき主な理由（理学療法士編）

理学療法士ならではの特性を活かし、以下のような客観的根拠を交渉材料としましょう。

理由	解説
✅ 担当患者数の増加	月間リハビリ件数や単位数を実績として提示
✅ 外来・訪問・急性期などの経験値	診療報酬が発生しやすい業務は高評価材料に
✅ 指導・教育係の役割を担っている	後輩指導・新人研修担当などは責任の証
✅ 各種認定資格の取得	認定理学療法士、呼吸療法認定士などは加点要素
✅ 前職（または同業他院）との比較	相場と職務内容を照らして説得力を高める

給与交渉の伝え方｜転職時の例（面接または内定後）

面接中にいきなり給与の話をするのは避け、内定提示後または条件提示時に「相談ベース」で伝えるのが基本です。

▶ 伝え方の例（口頭またはメール）

「ご提示いただいた条件について、一点だけご相談させていただければと思います。
前職では月収○○万円（年収○○万円）で勤務しており、今回のポジションでは、訪問リハビリの主担当や新人指導など、これまでの経験を活かして貢献できると考えております。
つきましては、年収○○万円程度の条件をご検討いただけましたら幸いです。もちろん、御院の制度に従い柔軟に対応いたします。」

現職での給与交渉の進め方（病院・施設の場合）

① 面談・評価時期にあわせて上司に相談

→ 昇給の時期や人事評価面談に合わせるとスムーズ。

② 日々の成果を定量的に記録しておく

→ リハビリ単位数、患者満足度、新人指導件数などをまとめておく。

③ 希望額だけでなく理由を先に伝える

→ 「生活費が…」ではなく「成果と責任に見合った報酬を希望」と説明する。

給与交渉が難しい職場での対応

公立病院や法人規定が厳格な職場では、給与交渉が通りにくいこともあります。
その場合は以下の視点で“交渉以外の改善”を模索しましょう。

アプローチ	内容
✅ 昇進や職種変更の打診	リーダー、主任、訪問責任者などのポストを狙う
✅ 勤務時間の見直し	残業の可視化・手当の再評価
✅ 福利厚生での補完	住宅補助・交通費・資格手当などの見直し

実際の給与交渉成功例（理学療法士）

▶ ケース①：訪問リハビリに転職した30代男性

前職：病院勤務／年収400万円 → 転職後：訪問中心／年収450万円
→ 訪問件数の増加、夜間対応の可能性を提示し、交渉成功。

▶ ケース②：総合病院勤務の20代女性

昇給面談で業務拡大・新人指導をアピール → 月収2万円UP
→ 実績を数字で示したことで、給与体系内で最大限の評価を得た。

注意点｜理学療法士の給与交渉でやってはいけないこと

NG行動	理由
❌ 感情的に不満を伝える	「給料が低い」「評価されていない」は逆効果
❌ 他職種・他人との比較を持ち出す	「○○さんより…」は人間関係の悪化につながる
❌ 曖昧な希望額を伝える	「少しでも上がれば…」では交渉の余地が曖昧に
❌ 一度で結果を出そうとする	法人の給与体系では「段階的な改善」が多い