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転職時の給与交渉で「前職」をどう活かすか|年収アップに繋げるための戦略と注意点

ライト

転職活動における給与交渉では、「前職の年収」が重要な参考指標として用いられる場面が多くあります。
企業側も、候補者の現在または直近の年収を把握したうえで提示条件を検討するため、前職年収の伝え方や使い方が交渉結果を大きく左右します。

この記事では「転職 給与交渉 前職」というキーワードに基づき、前職の給与をどう伝えるか、どのように交渉材料として活用するか、実際の成功例と注意点、企業側の見方などを詳しく解説します。


前職年収は給与交渉で必ず聞かれる項目

転職面接や内定後の条件交渉の際、ほとんどの企業が以下のような質問をします。

  • 「前職ではどのくらいの年収を得ていましたか?」
  • 「現職の月給・ボーナス構成は?」
  • 「前職との比較で、どの程度の年収をご希望ですか?」

これらは「足元を見られている」と感じるかもしれませんが、企業にとっては採用コストと待遇水準を整合させるための情報でもあります。


給与交渉で前職年収をどう伝えるべきか?

▶ 正直に伝えるのが基本。ただし“構成”を整理しておく

項目伝え方のポイント
基本給手取りでなく“額面”で伝える(税引前)
賞与年2回・月給○ヶ月分など、平均値を提示
その他手当残業代・家族手当・役職手当などは分けて明示

✅ 例文:

「前職では基本給が月額30万円、賞与は年間4ヶ月分、年収で約480万円でした」
「役職手当や残業代込みで年間約520万円でしたが、固定部分は460万円ほどでした」


前職年収をもとに給与交渉する際のテクニック

1. 同額ではなく“少し上乗せ”して希望する

  • 転職による「期待値・リスク・新たな挑戦」に対して報酬アップを正当化できる
  • 一般的に「前職比+5〜10%」の提示は現実的

2. 前職との違いを根拠に希望額を説明する

根拠の例説明方法
業務範囲の拡大「前職ではチームメンバーでしたが、今回はリーダーポジションでの応募です」
スキルアップ・資格取得「前職以降、〇〇の資格を取得し、業務対応範囲が広がっています」
勤務地変更・転居「転居を伴う転職のため、年収〇万円程度を希望しております」

前職年収を使った給与交渉の成功例

▶ ケース①:事務職(女性・30代)

  • 前職:年収340万円(基本給28万+賞与)
  • 転職後提示:年収350万円
  • 交渉内容:業務の幅が広がることを根拠に、年収380万円を希望
  • 結果:370万円で内定確定+交通費支給条件改善

▶ ケース②:エンジニア(男性・40代)

  • 前職:年収650万円
  • 提示:630万円(少し低め)
  • 交渉時:クラウド構成・AWS運用経験をアピールし、希望年収680万円を提示
  • 結果:交渉成立。基本給アップ+リモート手当新設

給与交渉で「前職」を使う際の注意点

NG行動なぜNGか?
❌ 年収を不正確に盛る入社後に源泉徴収票の提出で発覚し信頼を損なう
❌ 他社内定と比較して脅すような交渉駆け引きとしては逆効果になることも
❌ 希望額に根拠がない「〇万円が欲しい」では説得力がない
✅ 客観的な数字+成長ストーリーで説得成果と将来性のバランスで納得を得るのがコツ

まとめ|前職年収を“ただの金額”ではなく、“交渉材料”に変える工夫を

転職時の給与交渉において、前職年収は自分の価値を説明するための「基準」であり「武器」です。
金額だけを強調するのではなく、「なぜ前職から上げたいのか」「その価値があると証明できる実績や背景があるのか」を明確に示すことで、企業からの納得と評価を得やすくなります。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 前職年収は、基本給・賞与・手当を分けて明確に伝える
  • 希望年収は前職比5~10%アップを基準に現実的な金額で提示する
  • 前職との業務の違いやスキル成長を交渉材料にする
  • 金額ではなく「貢献と期待値」の話を軸にすると成功しやすい

転職での給与交渉は、自分の市場価値を正しく伝える場です。前職の実績を活かして、納得のいく条件を引き出しましょう。

ABOUT ME
ライト
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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