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転職時の給与交渉で「基本給」を意識すべき理由|交渉の進め方と注意点を徹底解説

ライト

転職活動で企業から内定をもらった際、多くの人が注目するのが「年収」です。しかし、その内訳をよく見ると、「基本給+各種手当+賞与」などが合算された総額表示であることがほとんどです。
実際に生活に影響を及ぼすのは「基本給」の部分であり、賞与や手当は変動があるため、転職時の給与交渉では“基本給”に着目して進めることが非常に重要です。

この記事では、「転職 給与交渉 基本給」というキーワードに基づき、転職時に基本給を重視すべき理由、交渉の適切なタイミング、伝え方、企業側の視点、成功のポイントとNG例までを詳しく解説します。


なぜ転職時の給与交渉で「基本給」が重要なのか?

▶ 理由①:賞与や退職金の基準になる

多くの企業では、「賞与(ボーナス)=基本給×支給率」「退職金=基本給×勤続年数×係数」など、基本給が金銭的なベースになることが多いです。
そのため、総額年収が同じでも、基本給が高い方が将来的に有利になる可能性が高いです。


▶ 理由②:残業代・昇給ベースも基本給から計算される

固定残業代制度を除けば、時間外労働の単価や昇給の基準も基本給に連動して決まります。
基本給が低いと、残業手当・深夜手当・法定休日手当などの計算額も抑えられてしまう場合があります。


転職時における給与交渉の適切なタイミング

タイミング給与交渉可否ポイント
面接中△(希望額の提示まで)明確な交渉ではなく“希望”の共有にとどめる
内定通知(オファー提示)直後◎ベストタイミング年収や基本給の内訳が提示された段階で交渉しやすい
オファー受諾後✕遅すぎる条件変更は原則難しい

基本給に注目した給与交渉の伝え方(例文付き)

給与交渉では、「年収を上げてください」だけではなく、「内訳にある基本給を再考していただけないか」という視点で伝えることがポイントです。

▶ 基本給を意識した交渉例(エージェント経由)

ご提示いただいた年収について、誠にありがとうございます。

一点確認させていただきたいのですが、今回のオファーの中で、基本給が現職と比べてやや下がっている点が気になっております。
賞与や各種手当もありがたいのですが、将来的な昇給や退職金、残業単価の面でも基本給を重視しております。

そのため、もし可能であれば、基本給の部分について再検討いただけないかご相談いただけますと幸いです。


企業側の視点|なぜ基本給の交渉は難しい場合があるのか?

  • 給与テーブルが厳格に決まっている企業では柔軟な調整が難しい
  • 基本給の変更は「等級変更」に直結するため、人事制度全体に影響を与える可能性がある
  • そのため、企業としては「手当で調整する」「初年度は一時金で対応する」などの代替案を提示してくるケースが多くなります

基本給アップを勝ち取るための交渉材料

項目有効性の理由
現職の基本給実績「最低限、同水準を希望」として説得力がある
スキル・資格の証明実績やスキルが希少性を持つ場合は交渉余地が広がる
リーダー経験・マネジメント経験等級を上げやすく、基本給引き上げの根拠になる
希望額の根拠資料(業界水準など)OpenWork、doda年収調査なども効果的

基本給に関する給与交渉のNG例

NG行動なぜNGか
❌ 「総額が低い」と感情的に訴える根拠が弱く、改善されにくい
❌ 他社の条件を過度に比較に使う不信感を招くことがある
❌ 譲れない姿勢を強く出す「扱いづらい人材」と見なされるリスク

成功事例|基本給を中心とした給与交渉のケース

▶ ケース①:営業職(30代・男性)

  • 提示:年収530万円(基本給25万円+賞与)
  • 現職:基本給28万円
  • 希望:「基本給28万円以上」を主軸に交渉
  • 結果:基本給30万円+手当調整 → 実質年収560万円で合意

▶ ケース②:事務職(20代・女性)

  • 提示:年収370万円(うち基本給20万円)
  • 希望:基本給22万円(賞与は現状維持)
  • 結果:月給22.5万円で調整、賞与基準も上方修正

まとめ|転職時の給与交渉では「基本給の内訳」を見逃すな

転職時の給与交渉では、つい「年収」という総額だけに目がいきがちです。しかし、基本給こそが毎月の給与・賞与・退職金・残業代の全ての“基盤”となる部分であり、入社後の待遇やキャリアにも大きく影響します。

納得できる条件で転職を成功させるためには、オファー時に基本給を丁寧に確認し、冷静かつ論理的に交渉することが不可欠です。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 年収ではなく「基本給」に注目することで、将来の昇給・賞与にも影響が出る
  • 交渉のタイミングは“内定通知・条件提示直後”がベスト
  • 希望を伝える際は、感情でなく“根拠と理由”を明確に提示
  • 企業側の事情も理解した上で、丁寧かつ柔軟に交渉を進める

「転職後の安心と納得」を手に入れるために、基本給へのこだわりは妥協せず、丁寧に交渉していきましょう。

ABOUT ME
ライト
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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