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退職時の給料交渉(カウンターオファー)はどう進める?現職残留と転職の判断基準や注意点

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転職活動が進み、現職(現在の会社)へ退職の意思を伝えた際、会社側から「給与を引き上げるから残ってほしい」と引き止め交渉(カウンターオファー)を受けたり、「給料が上がれば退職を踏みとどまるべきだろうか」と悩んだりするケースは、決して珍しくありません。また、退職を伝えるタイミングで、自ら現職に対して給料の引き上げを相談できるのか疑問に思う方もいらっしゃいます。退職に伴う給料交渉や引き止めへの対応は、一歩判断を誤ると、現職での立ち位置や転職先との信頼関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。この記事では、退職時の給料交渉や引き止めの実情をはじめ、現職に留まるメリットと潜在的なリスク、提示された条件に対する冷静な判断基準、そしてトラブルを防ぐための注意点について、詳しく解説します。

退職を伝えた際の給料交渉(引き止め・カウンターオファー)の実情

まずは、退職交渉の場で企業側が給料の引き上げを提示してくる理由や、現職での交渉と転職先での交渉の違いについて、正しく理解しておくことが大切です。

企業が退職時に給与アップを提示する理由

従業員から退職の申し出を受けた際、企業が給料の引き上げを提示して引き止めを図る背景には、現場の穴埋めにかかる時間や採用・教育のコストを回避したいという現実的な事情が存在します。突然の退職によって業務が滞るリスクを防ぐため、一時的な解決策として給与条件の改善を提案することは、企業側にとって手っ取り早い選択肢となる場合があります。

現職での給料交渉と転職での給料交渉の違い

転職活動における給料交渉は、内定後に自身の市場価値や実績をベースに、新しい職場での評価や待遇をすり合わせる前向きな対話です。一方で、退職を決意した後に現職と行う給料交渉は、すでに退職の意向を示した状態からの調整となるため、人間関係や社内での信頼関係が少なからず変化した状態で行われるという特徴があります。

退職時に現職で給料交渉に応じるメリットとリスク

引き止めによって給与アップの提示を受けた際、そのまま現職に残る(残留する)選択には、メリットとリスクの両面が存在します。

条件改善による現職残留のメリット

現職に残る最大のメリットは、住み慣れた環境や人間関係、慣れ親しんだ業務内容を維持したまま、収入を増やせる点にあります。新しい職場へ移る際にかかる適応のストレスや、試用期間中の不安を回避しつつ、年収アップという目的の一部を果たせる可能性が生じます。

給料アップ提示を受け入れて留まる潜在的リスク

一方で、引き止めに応じて現職に留まることには、注意すべきリスクが潜んでいます。「一度は退職を考えた人物」という印象が社内に残ることで、今後の重要なプロジェクトへの抜擢や、長期的な昇進・昇格の機会に影響が出る懸念を否定できません。また、会社側からの「給料を上げてやった」という意識や、同僚からの目が気になるなど、職場環境の居心地が変わってしまうケースも考えられます。

退職時の給料交渉・条件提示を受けた際の適切な判断基準

現職から給与引き上げの提示を受けた場合は、感情に流されることなく、客観的な視点で冷静に判断を下す必要があります。

退職理由が「給料のみ」か「職場環境・キャリア」かを見極める

自身が転職を決意した本当の理由を、改めて問い直すことが重要です。転職理由が「単に給与水準に対する不満だけ」であった場合、現職での給与アップによって不満が解消される可能性があります。しかし、労働時間、人間関係、社風、評価制度、あるいは将来のキャリアパスに対する不満が根本にある場合は、給料だけが上がっても問題の本質は解決せず、時間が経つと再び同じ悩みを抱える可能性が高くなります。

書面での条件確認と提示内容の現実性

口頭で「給料を上げるから」と言われただけで納得して退職を撤回することは危険です。具体的に「いつから」「基本給や手当のどの項目が」「いくら増額されるのか」を、書面やメールなどの記録に残る形で明確に提示してもらうことが不可欠となります。口約束のままうやむやにされ、結局希望通りの給与にならなかったというトラブルを防ぐためにも、明確な条件確認が求められます。

転職先との条件(年収・環境)との冷静な比較

内定を獲得している転職先の条件と、現職から再提示された条件を、給料面だけでなく総合的に比較検討します。提示された額面年収はもちろんのこと、業務内容、勤務体系、企業の将来性、学べるスキル、福利厚生などを多角的に並べ、長期的なキャリアにとってどちらがプラスになるかを見極めることが大切です。

退職に伴う給料交渉をスムーズに進めるための注意点とマナー

退職や給料交渉をめぐるトラブルを防ぎ、社会人としての信用を保つための注意点について確認しておきましょう。

自ら給料アップを条件に退職をちらつかせる行為の危険性

現職での給料を引き上げたいがために、「給料を上げてくれないなら退職します」「他社から内定をもらっているので交渉したい」といったように、退職を駆け引きの道具として使う行為は極めてリスクが高く、避けるべきです。経営層や上司に不快感を与え、「それなら辞めてくれて構わない」と判断されたり、交渉が失敗した後に社内での信頼を完全に失ったりする原因となります。

転職先への内定承諾後の辞退リスクとマナー

転職先から内定通知を受け取り、すでに内定承諾書を提出した後に、現職からの引き止め(給与アップ)を理由に内定を辞退することは、転職先の企業や採用担当者に多大な迷惑をかける行為となります。法的な問題だけでなく、業界内での評判や人間関係に悪影響を及ぼす可能性があるため、安易な内定承諾後の翻意は厳に慎むべきです。

感情的な交渉を避け感謝と誠実さを保つ

現職に残る場合であっても、予定通り転職先へ移る場合であっても、やり取りの全般において感謝と誠実な姿勢を維持することが何より重要です。これまでの評価や引き止めの提示に対しては丁寧なお礼を伝え、双方にとって納得のいく形で誠実に対話を締めくくることが、円滑な社会人生活を継続するための鉄則となります。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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