2025.04.20

給与交渉を人事と行う際のポイント｜準備・伝え方・注意点を徹底解説

ライト

給与に対する見直しを希望する際、実際の決定権や制度運用を担っているのが「人事部門」です。特に在職中の昇給交渉や、転職活動中の年収調整の場面では、最終的な条件提示や合意は人事とのやり取りによって決まることがほとんどです。

この記事では、「給与交渉人事」というキーワードをもとに、人事との給与交渉を成功させるための準備・進め方・言い回し・注意点まで、実務に即した具体的な戦略を詳しく解説します。

Contents

なぜ給与交渉は「人事」が重要なのか？
人事との給与交渉が発生するシーン
人事との給与交渉｜準備すべき5つの材料
人事との交渉の進め方｜伝え方とメール例文
給与交渉を人事と行う際の注意点
成功事例：人事との給与交渉で条件改善につながったケース
- ▶ ケース①：現職の制度内で調整成功（総合職・30代）
- ▶ ケース②：転職時に内定後交渉（IT系・40代）
まとめ｜人事との給与交渉は「制度を理解し、根拠を示す」が成功の鍵
- ✅ 最後に押さえておきたいポイント

なぜ給与交渉は「人事」が重要なのか？

給与の決定には「直属の上司の評価」と「人事の制度運用」の両方が関与します。
その中でも人事は以下のような役割を担っており、交渉のカギを握る存在です。

人事の役割	内容
✅ 給与テーブルの管理	各職種・等級ごとの給与範囲を設定している
✅ 評価制度・昇給制度の運用	上司の評価をもとに最終査定を調整
✅ 条件提示・オファー作成	内定者や現職社員の報酬条件を決定・説明
✅ 公平性・制度遵守の担保	個別交渉が制度に反していないかを確認

そのため、上司との相談で手応えを得た場合でも、最終的には人事部門が承認・調整を行うため、人事との直接交渉や理解が非常に重要になります。

人事との給与交渉が発生するシーン

シーン	解説
✅ 転職活動中（内定後）	給与・条件提示に対する相談
✅ 昇進・昇格時の交渉	役職変更に伴う報酬見直しの打診
✅ 現職での査定後	評価結果をもとに交渉の余地を伺う
✅ 配属・異動直後	業務量や職責の変化に応じた見直し相談

人事との給与交渉｜準備すべき5つの材料

人事は「感情」では動きません。制度・評価・実績に基づいた根拠ある材料を提示することが、交渉成立の前提条件です。

材料	内容	活用例
実績・成果	売上、改善提案、表彰歴など	「前年比〇〇％増を達成」など定量的に
スキル・資格	専門性・業務との関連性を強調	「業務範囲が広がった」ことを説明
職務内容の変化	リーダー業務、プロジェクト責任など	役割に対して待遇が追いついていないことを伝える
他社オファー・市場相場	転職市場での自分の価値を裏付ける	慎重に提示し、脅しにならないよう注意
上司からの評価	面談内容や昇格推薦がある場合は明示	人事に対する「第三者評価」の証拠になる

人事との交渉の進め方｜伝え方とメール例文

▶ 基本姿勢：論理的かつ誠実に

給与交渉では「相談」という姿勢が最も重要です。
交渉の場で人事はあなたの味方ではありませんが、制度と整合性があれば検討してくれる立場です。

▶ 面談での伝え方（例）

本日はお時間をいただきありがとうございます。
現在、〇〇部門で〇〇の業務を担当し、直近では□□という成果を上げております。

また、昨年からプロジェクト責任者を務めるなど、職務内容も広がってきました。

そこで、これらの実績や役割の変化を踏まえ、報酬面について一度ご相談させていただきたく思っております。
御社の制度や評価基準に即して検討いただければ幸いです。

▶ 人事宛メールの例文（在職中）

件名：給与条件に関するご相談

○○部人事課ご担当者様

お世話になっております。

現在の業務内容および成果に関し、報酬面について一度ご相談の機会をいただけますでしょうか。
業務の幅が広がり、責任範囲も変化してきたことから、今後のキャリア設計や会社への貢献のためにも、待遇に関するご相談をさせていただければ幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご都合の良いお時間をご教示いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

給与交渉を人事と行う際の注意点

NG行動	理由
❌ 感情的に「不満」をぶつける	人事は冷静な制度判断を求めるため逆効果
❌ 他人と比較する	「○○より働いている」などは制度上通用しない
❌ 繰り返し交渉する	一度断られた場合は冷却期間を設けること
✅ 提案は柔軟に	年収だけでなく、役職や手当などの調整も視野に入れる