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現職での給与交渉の進め方|適切なタイミングと伝え方、成功させるためのポイント

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給与に対する不満や疑問を抱いたとき、「転職しか方法がない」と考えてしまう方も少なくありません。しかし、必ずしも辞める必要はなく、現職にとどまりながら給与交渉を行うことも選択肢のひとつです。
実際、一定の成果を上げている社員や責任の大きなポジションについている社員は、企業側も流出を防ぐために条件改善に応じるケースも多く見られます

この記事では、「給与交渉 現職」というキーワードをもとに、現職で給与交渉を行うための正しいステップ、適切なタイミング、上司への伝え方、成功させるための準備と注意点までを具体的に解説します。


現職で給与交渉をするのはアリなのか?

答えは「Yes」です。
ただし、給与は人事制度や評価制度に基づいて決定されるものであるため、安易に「給料を上げてほしい」と訴えるのではなく、実績と根拠をもとに論理的に伝える必要があります。

企業にとっても、優秀な人材を引き留めることはコストパフォーマンスの良い投資です。そのため、交渉のやり方次第では条件改善が実現する可能性があります。


現職での給与交渉が成功しやすいタイミング

給与交渉には「社内のタイミング」と「あなた自身のタイミング」の2つがあります。

タイミング解説
✅ 昇給・査定前の面談半期・年次の人事評価前に行うのが理想
✅ プロジェクトの成果が出た後具体的な実績をもとに交渉できる
✅ 昇格や役割変更のタイミング責任が増した分を正当に反映してもらう機会
✅ 同業他社からオファーがあったとき他社評価をもとに交渉材料とする(慎重に扱う)

給与交渉の前に準備すべきこと

給与交渉を行うには、「給料を上げたい理由」を明確にするだけでなく、それを論理的に説明できる材料を揃えることが重要です。

▶ 具体的な準備項目

  • 現在の業務内容と責任範囲(入社時と比べてどう変わったか)
  • 成果・貢献の可視化(売上、コスト削減、改善提案など数値で)
  • 社内相場や職種別相場との比較
  • 業務の専門性・スキル・資格取得などの自己研鑽状況
  • 他社オファーの提示(可能であれば)

給与交渉の伝え方|例文付き

給与交渉は、あくまでも“対話”です。「お願い」や「要求」ではなく、“事実に基づく相談”というスタンスで話すことが大切です。

▶ 上司との面談時の伝え方(例)

お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
本日は、今後のキャリアや業務評価についてご相談したいことがございます。

現在、〇〇部門で○○という業務を担当し、年間売上○○%増などの成果を上げてまいりました。
また、後輩の指導や業務改善にも継続的に取り組んでいます。

つきましては、これらの実績を踏まえ、報酬面についてもご相談させていただければと思い、今回お話の機会をいただきました。

組織や制度の都合もあるかと存じますが、前向きにご検討いただけますと幸いです。


現職での給与交渉を成功させるポイント

成功のコツ解説
✔ 数値や実績で具体的に話す「頑張っている」ではなく「○○を達成した」
✔ 上司の立場も尊重する「制度上の判断があると思いますが…」という一言を添える
✔ キャリアと貢献の意欲を示す「今後もさらに貢献していきたい」という姿勢を忘れずに
✔ 無理な要求はしない過剰な金額や強硬な態度は逆効果
✔ メモ・面談記録を残す後々の確認のために会話内容をまとめておく

注意点|現職での給与交渉で避けるべきNG行動

NG行動理由
❌ 感情的に話す不満や怒りは交渉の妨げになる
❌ 他人との比較を持ち出す「○○さんより自分の方が…」は対立を生む
❌ 他社オファーを脅しに使う退職前提と見なされかねないため慎重に扱う
❌ 時期を無視して交渉する昇給タイミング外での交渉は通りにくい

実例:現職での給与交渉が成功したケース

▶ ケース①:営業職(30代)

背景:目標売上達成率120%、後輩育成も担当
交渉内容:「成果に応じた評価を希望」と昇給面談を依頼
結果:月額3万円アップ+次期リーダー候補として選出

▶ ケース②:システムエンジニア(40代)

背景:新システム導入とトラブル対応で大きな貢献
交渉内容:過去3年の給与据え置きに対して、業務拡大を理由に交渉
結果:年収50万円増+次年度に役職昇格の内示


まとめ|現職での給与交渉は「評価の正当化」と「信頼構築」

現職での給与交渉は、「お金を上げてください」という要求ではなく、「これだけの成果を上げていることを踏まえ、適切に評価していただきたい」という“評価の正当化”を求めるプロセスです。
同時に、上司や会社との信頼関係を損なわず、建設的なコミュニケーションを重ねることが、成功へのカギとなります。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 給与交渉は「制度と実績」の間で進める対話であり、感情論ではない
  • 適切なタイミングと根拠を押さえることで、現職でも十分に交渉の余地はある
  • 上司への相談は誠実に、今後の貢献意欲も添えて伝えることが重要
  • すぐに結果が出なくても、粘り強く評価に反映されるケースも多い

転職しなくても給与を上げる選択肢はある。まずは今の職場で、自分の価値を適切に伝えるところから始めてみましょう。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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