フリーランスの給与交渉術|報酬を正当に得るための進め方・伝え方・成功のポイント
会社員と違い、フリーランスは自らのスキルと実績を武器に、報酬(いわゆる“給与”に相当)を直接交渉する立場にあります。
しかし、「いくら請求すればいいのか分からない」「交渉して関係が悪くなりたくない」といった悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「フリーランス 給与交渉」というキーワードをもとに、クライアントとの報酬交渉の考え方・タイミング・文面例・注意点・成功のためのコツまでを徹底的に解説します。
「フリーランスにとっての給与交渉」とは?
フリーランスにとっての給与交渉とは、案件単位・月単位・時間単位などで報酬を自分の価値に見合った額に設定・調整するための交渉行為です。
会社員のように人事部が決定するのではなく、自分自身が営業・価格決定者となるのが大きな特徴です。
なぜフリーランスにとって給与交渉が重要なのか?
理由 | 内容 |
---|---|
低単価のままでは生活が不安定になる | |
実績を積めば、単価を見直すべきタイミングが来る | |
長時間の修正対応などで実質的な時給が下がるリスク | |
クライアントの「できるだけ安く」という要望に流されがち |
フリーランスが給与交渉するタイミング
① 新規案件の契約時
→ 最初の見積もり提出時に報酬を明示。あとから上げにくいため、ここでしっかり交渉するのが鉄則。
② リピート案件や契約更新時
→ 過去の実績を踏まえて、「次回からは〇〇円にて」と交渉するチャンス。
③ 業務内容が拡張・変更されたとき
→ 仕様追加や修正回数増加などがあった際、「工数に対して再見積もりが必要」として交渉の根拠が明確になる。
給与(報酬)交渉の進め方ステップ
STEP1:希望金額と根拠を明確にする
- 希望単価(時給/日給/案件単位など)を設定
- 実績、工数、成果、他社相場など客観的根拠を用意
STEP2:見積もり段階で条件を提示する
「後出し」は信頼を損なう可能性があるため、最初の提案時にしっかりと料金と条件を提示しましょう。
STEP3:やり取りはメール・チャット等で「証拠化」する
口頭だけでなく、Slackやメールで記録を残すことで、後のトラブルを防げます。
STEP4:値下げ交渉があった場合の対応方法
- 「この金額でこの品質・対応が可能です」と伝える
- 「予算に合わせて内容を調整しましょう」と工数削減案を出す
- 「過去実績ベースでこれ以上の値下げは難しい」と説明する
給与(報酬)交渉の文面例(新規クライアント向け)
件名:お見積りのご提出とご相談
○○株式会社 ご担当者様
お世話になっております。○○と申します。
ご依頼いただきました件について、下記の通りお見積りを提出させていただきます。
● 作業内容:LPデザイン+コーディング
● 納期:約10営業日
● 見積金額:180,000円(税別)案件のボリューム・想定工数・過去の同様実績を踏まえての金額となりますが、
もしご予算のご希望がありましたら、作業範囲の調整も可能ですのでお気軽にご相談ください。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
クライアントの値下げ要求に対する返信例
ご連絡ありがとうございます。
ご予算について拝見いたしましたが、今回の作業内容と対応スケジュールを踏まえると、
現在のご提示額では対応が難しい状況です。ただし、作業範囲を一部調整する形であれば、○○円にてご提案可能です。
ご要望に応じて柔軟に対応いたしますので、ぜひご相談いただけますと幸いです。
フリーランスの給与交渉でやってはいけないNG行為
NG行動 | 理由 |
---|---|
クライアントに不信感を与える | |
対話の余地を持たせないと関係が悪化 | |
契約トラブルの原因になる | |
「誠実さ」が何より重視される世界 |
交渉を有利に進めるためのコツ
- **ポートフォリオや実績の“見える化”**を常に用意する
- 工数見積もりの根拠を説明できるようにしておく
- 複数案件を掛け持つことで強気の交渉が可能に
- 自分の「最低受注ライン」を事前に決めておく
まとめ|フリーランスこそ、給与交渉(報酬交渉)で自分の価値を守るべき
フリーランスにとっての「給与交渉」は、単に金額の話ではなく、自分の価値を提示する行為でもあります。
クライアントと信頼関係を築きながら、適正な報酬で働くためには、誠実かつ論理的な交渉力が必要不可欠です。
最後に押さえておきたいポイント
- フリーランスは「給与=自らが決める報酬」。遠慮せず交渉を
- 希望金額とその根拠を明確にし、見積もり時に提示する
- 交渉は柔軟さと誠実さがカギ。工数や内容の調整で着地を図る
- 文面は丁寧かつ明確に。やり取りは記録に残す
- 適正価格で受注することで、長期的な信頼と持続可能な働き方につながる
「安く請ける」のではなく、「正当に評価される」働き方を。
それが、フリーランスとして継続していく最大の戦略です。