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教員への転職で給与はどうなる?前職換算の仕組みと年収交渉の進め方

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民間企業などの他職種から、教員へと転職を検討する際、自身のこれまでに培ってきた経験やスキルが、給与においてどのように評価されるのかと、不安や疑問を抱く転職者は、決して少なくありません。「教員へ転職した場合、新卒と同じ初任給からのスタートになってしまうのだろうか」「民間企業への転職と同じように、面接の場で給与交渉を行うことはできるのだろうか」と、給与体系の違いや交渉の進め方に迷うのは、当然のことと言えます。教員、特に公立学校の教員への転職における給与決定の仕組みは、一般的な民間企業間の転職とは大きく異なり、明確な規定に基づいた計算方法が、存在します。この特有の給与体系や、前職の経験年数を評価する「前歴換算」の仕組みを正しく把握し、適切な手順で条件の確認と手続きを行うことができれば、これまでのキャリアを無駄にすることなく、納得のいく待遇で新たなスタートを切ることが、十分に可能です。この記事では、教員への転職時における給与計算の基本的な仕組みをはじめ、前職の経験を最大限に評価してもらうための進め方、そして、絶対に避けるべきNG行動について、詳しく解説します。

教員へ転職した際の給与計算の仕組みと前歴加算

まずは、民間企業から教員へと転職した場合、給与がどのような基準で計算され、提示されるのかについて、公立学校と私立学校の違いを含め、正しい理解を深めておくことが、大切です。

公立教員の給与は給料表と前歴加算で厳密に決定される

公立学校の教員に採用された場合、その身分は地方公務員となり、給与は各自治体が定める条例や、「給料表(俸給表)」という明確な基準に基づいて、決定されます。この際、民間企業での経験を持つ転職者に対しては、前職での勤務年数を教員としての経験年数に換算し、給与のスタートラインである「号給」に上乗せする、「前歴加算(職歴加算)」という制度が、適用されます。換算される割合は自治体によって異なりますが、教員の職務に直接関連する仕事であれば100%(1倍)、関連しない民間企業での経験であっても80%(0.8倍)や50%(0.5倍)といった一定の換算率を掛けて、経験年数が加算されることが一般的です。そのため、社会人経験を経て教員になった場合、新卒と全く同じ給与になるわけではなく、これまでの社会人経験が一定の割合で評価され、基礎となる給与に反映される仕組みとなっています。

私立教員の給与は学校法人ごとの独自規定による

一方、私立学校の教員へ転職する場合は、公立学校のように全国で統一された公務員の規定ではなく、運営する学校法人が独自に定める給与規定に則って、給与が決定されます。多くの私立学校では、公立学校の給与水準や前歴加算の仕組みに準じた体系を採用していますが、中には、民間企業での特定の実績や、専門的なスキルを高く評価し、公立学校以上の好待遇を提示する学校法人も、存在します。そのため、私立学校への転職においては、各学校の規定や評価の方針によって、提示される年収に幅が生じることになります。

教職調整額など教員特有の手当の仕組み

教員の給与を理解する上で欠かせないのが、残業代の考え方です。公立学校の教員には、労働基準法に基づく一般的な時間外割増賃金(残業代)が支払われない代わりに、基本給の一定割合をあらかじめ上乗せして支給する、「教職調整額」という制度が、適用されています。民間企業で多くの残業代を受け取っていた方が教員へ転職した場合、この手当の仕組みの違いによって、想定していた手取り額と実際の支給額にギャップを感じるケースがあるため、基本給と手当の内訳を、事前にしっかりと確認しておくことが、求められます。

経験を最大限に評価してもらうための給与確認と進め方

教員の給与体系を理解した上で、自身のこれまでの経歴を正しく評価してもらい、納得のいく条件で入社するための、具体的な進め方について、解説します。

在職証明書などの経歴証明を正確かつ漏れなく提出する

公立学校への転職において、民間企業のような「希望年収を提示しての自由な給与交渉」を行うことは、制度上不可能です。給与は規定によって自動的に算出されるため、転職者側ができる最も重要かつ実質的な”交渉”とは、自身の過去の職歴をすべて正確に申告し、漏れなく証明することに他なりません。前歴加算を正しく適用してもらうためには、過去に勤務したすべての企業から「在職証明書」を発行してもらい、教育委員会などの指定された提出先へ、期日までに確実に提出する必要があります。アルバイトや非正規雇用としての期間であっても、一定の割合で加算の対象となる自治体が多いため、自身の経歴を一つ残らず証明することが、給与を最大化するための、絶対条件となります。

私立学校の場合はオファー面談での条件すり合わせを行う

私立学校へ転職する場合は、公立学校とは異なり、内定獲得後のオファー面談の場において、ある程度の条件のすり合わせや、相談を行う余地が残されているケースが、あります。提示された給与額に対して、自身の前職での実績や、民間企業で培ったマネジメント経験などが、どのように評価されているのかを確認します。その上で、「これまでの専門的な実務経験を活かし、学校の特色づくりに大きく貢献できると考えているため、給与の号給算定において、もう一段階上の評価をご検討いただくことは可能でしょうか」と、丁寧に相談を持ちかけることで、規定の範囲内で評価が見直される可能性が、あります。

教員への転職の給与確認で絶対に避けるべきNG行動

確認や手続きのやり取りにおいて、一歩間違えると採用側からの信頼を完全に失ってしまう、致命的なNG行動について、確認しておきましょう。

公立学校に対して民間企業のような金額交渉を要求すること

公立学校の教員採用試験に合格した後、教育委員会や学校長に対して、「民間企業では年収〇〇万円だったので、それ以上の金額を出してほしい」と、自由な金額交渉を強気に要求することは、絶対に避けるべきです。公務員の給与は、条例で定められた給料表に従って一律に決定されるため、個別の要望で金額を変動させることは、一切できません。制度を理解していない人物であるとみなされ、社会人としての常識を疑われる最大の原因となります。

前職の経歴や役職について虚偽の申告を行うこと

前歴加算によって少しでも高い号給を獲得したいからといって、在職期間を長く偽ったり、経験していない役職を申告したりすることは、厳禁です。教員として採用される際、年金記録や在職証明書による厳格な経歴確認が行われるため、虚偽の申告は確実に発覚します。経歴詐称は、採用取り消しや懲戒免職の対象となる、極めて重大なコンプライアンス違反であるため、経歴は必ず事実のみを正確に伝える必要があります。

個人的な生活事情を理由に特別扱いを求めること

「住宅ローンがあるから」「家族を養うために生活費が必要だから」といった、個人的なプライベートの事情を理由に、給与の引き上げや特別な手当の支給を求めることは、不適切です。給与は、提供される職務の価値や、これまでの経験年数に対する対価として支払われるものであり、個人の生活事情を補填するものではありません。個人的な感情論を持ち出すことは、自立した教育者としての評価を、大きく下げる原因となります。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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