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転職の年収交渉で「源泉徴収票」が必要な理由とは?確認すべき項目と提出時の注意点

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転職活動において、志望する企業から無事に内定を獲得し、提示された給与条件を確認する際、「前職の給与水準を維持したい」「実績に見合った適正な評価をしてほしい」と考え、年収交渉を検討する転職者は、非常に多くいらっしゃいます。自身の経験やスキルを評価してもらい、納得のいく条件で入社することは、転職後のモチベーションを高く維持するためにも、極めて重要なプロセスです。その年収交渉を進める上で、企業側から提出を求められたり、交渉の客観的な根拠として不可欠となったりするのが「源泉徴収票」です。しかし、「なぜ年収交渉の場で源泉徴収票が必要になるのか」「源泉徴収票のどの金額を基準にすればよいのか」と、疑問や不安を抱く方も、少なくありません。この記事では、転職の年収交渉において源泉徴収票が重視される理由をはじめ、確認すべき重要な項目、提出や交渉の適切なタイミング、そして、絶対に避けるべき注意点について、詳しく解説します。

転職の年収交渉において源泉徴収票が重視される理由

まずは、企業側が中途採用の選考や条件提示の段階において、なぜ応募者の源泉徴収票を確認したがるのか、その理由と役割について、正しい理解を深めておくことが、大切です。

前職での正確な「額面年収」を客観的に証明するため

企業が応募者に対して年収交渉に応じる際、最も重視するのは、候補者が提示する希望額の客観的な妥当性です。応募者が口頭や履歴書で伝える前職の給与額が、自己申告通りの正確なものであるかを、公的な書類によって裏付けるために、源泉徴収票が活用されます。源泉徴収票を提示することによって、過去1年間に企業から支払われた正確な総支給額が証明され、感情論や自己評価に偏らない、客観的な交渉のベースを構築することが、可能になります。

企業の給与テーブル(社内規定)とのすり合わせを行うため

中途採用を行う企業には、年齢、職位、あるいは経験年数に応じた、厳格な社内給料表(給与テーブル)が存在することが、一般的です。企業側は、前職での源泉徴収票に記載された年収実績を参照しながら、自社の社内規定のどのグレード(役職・職位)に当てはめるのが適正であるかを、具体的に検討します。前職での評価水準を正確に把握することで、採用担当者は、社内の決裁や稟議を通しやすくなります。

源泉徴収票で確認すべき最も重要な項目:「支払金額」

自身で年収交渉の目標額(目安)を設定する際、源泉徴収票のどの数字を見るべきかを、正しく知っておく必要があります。

「手取り額」ではなく「支払金額」が交渉の基準となる

源泉徴収票にはいくつかの金額が記載されていますが、年収交渉の基準として使用すべき数値は、用紙の左上に大きく記載されている「支払金額」です。この「支払金額」とは、所得税や社会保険料などが引き落とされる前の、いわゆる「額面年収(総支給額)」を指します。一方、実際に銀行口座へ振り込まれる「手取り額」や、控除後の「給与所得控除後の金額」を基準として交渉を進めてしまうと、企業側が算出する年収計算との間に大きな認識のズレが生じてしまうため、注意が必要です。

支払金額に含まれる内訳を把握する

源泉徴収票の「支払金額」には、毎月支給される基本給だけでなく、残業手当、住宅手当、役職手当などの各種手当、そして過去1年間に支給された賞与(ボーナス)の総額が含まれています。交渉の場においては、「前職の支払金額(額面年収)が〇〇万円であったため、同等以上の水準を希望したい」といったように、各種手当や賞与を含んだ総額をベースとして伝えることが、ビジネスにおける共通のルールと、なります。

年収交渉で源泉徴収票を活用する適切なタイミング

企業へ源泉徴収票を提示したり、それをもとに年収の相談を持ちかけたりする際は、伝えるタイミングが非常に重要となります。

ベストなタイミングは「内定通知・オファー面談時」

年収交渉を行う上で、最も安全であり、かつ成功率が高まる時期は、すべての選考プロセスを無事に通過し、企業から正式に内定の連絡や「労働条件通知書」を受領した直後から、内定承諾書を提出するまでの期間に、限られます。企業側の「採りたい」という意思決定がすでに固まっている段階で、手元の源泉徴収票に記載された数値を根拠として見せながら、「前職の実績を踏まえ、年収面についてご相談させていただけないでしょうか」と伝えることで、安全かつ対等にすり合わせを行うことが、可能になります。

選考途中の段階で自分から出すのは避ける

まだ採否が決まっていない一次面接や二次面接の段階で、自分から積極的に源泉徴収票を提示し、大幅な年収アップを求めてしまうと、「仕事内容への意欲よりも待遇面ばかりを最優先する人物だ」という、ネガティブな印象を採用担当者に与えてしまう恐れがあります。選考中は自身のスキルや熱意のアピールに専念し、具体的な書類を用いた金額の相談は、評価が確定した内定後のタイミングまで待つべきです。

源泉徴収票を使った年収交渉で絶対に避けるべきNG行動

交渉の失敗を防ぎ、入社前の段階で企業からの信頼を決定的に損ねる事態を回避するために、あらかじめ把握しておくべき禁止事項について、確認しておきましょう。

年収の水増しや虚偽の申告(経歴詐称)

交渉を有利に進めたいからといって、面接や応募書類の段階で前職の年収を実際の金額より高く水増しして申告することは、絶対に避けるべきです。正式な入社手続きの際、所得税の年末調整などのために、前職の源泉徴収票の提出が法律上義務付けられているため、虚偽の申告は必ず発覚します。事実と異なる年収を伝えていたことが露呈した場合、経歴詐称として内定取り消しや、入社後の懲戒解雇など、取り返しのつかない深刻なトラブルに発展します。

私的な生活事情を理由にした身勝手な主張

源泉徴収票に記載された前職の年収実績があるにもかかわらず、「住宅ローンの返済があるから」「子どもの教育費がかかるから」といった、個人の私的な生活事情を理由にして、前職から大幅に離れた金額への引き上げを求めることは、不適切です。企業は、個人の生活費を補填するために対価を支払うのではなく、提供される労働の価値や成果に対して給与を支払います。交渉の理由は、あくまで前職での実績や市場相場、自身が発揮できるビジネス上の価値に限定しなければなりません。

内定承諾書を提出した後の後出し交渉

提示された労働条件や源泉徴収票に基づく金額のすり合わせに一度納得し、「内定承諾書」や「入社同意書」に署名や捺印をして提出した後に、やはり年収を上げてほしいと後出しで再交渉を持ちかけることは、重大なルール違反となります。すでに双方で合意した契約条件を事後的に覆そうとする行為は、約束を守らない人物であるという最悪の心証を与え、採用担当者からの信用を根底から失う結果を招きます。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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