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転職後の給与交渉は可能?入社後に年収アップを目指す進め方と注意点

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転職活動を終え、新しい企業での業務がスタートした後になってから、業務内容の負担や実際の労働環境を踏まえ、改めて給与交渉を行いたいと考える方は、決して少なくありません。入社前に提示された労働条件に合意したものの、実際に働き始めてみると、想定以上に求められる役割が大きかったり、前職と比べて生活基盤に不安を感じたりと、様々な理由から年収アップを望むケースが存在します。しかし、すでに入社し、労働契約を結んでしまった後における給与の交渉は、入社前のタイミングと比較して、大きく異なる性質を持っています。この記事では、入社後における給与交渉の実情や、実際に年収アップを目指すための具体的な進め方、そして、企業との信頼関係を損なわないために押さえておくべき重要な注意点について、詳しく解説します。

入社後における給与交渉の実情と難しさ

新しい職場に入社した後に、給与の引き上げを企業側に要求することは、仕組みの上では不可能ではありませんが、現実的には高いハードルが存在することを、まずは正しく理解しておく必要があります。

入社直後の給与交渉は原則として非常に困難である

結論から申し上げますと、入社して間もない時期に、給与のベースアップを目的とした交渉を持ちかけることは、原則として非常に困難であると、言わざるを得ません。企業と労働者の間には、入社時に取り交わした労働条件通知書や、雇用契約書に基づく、明確な合意が存在します。双方が納得した上で契約を結んだにもかかわらず、入社直後に「やはり給与を上げてほしい」と申し出ることは、契約そのものを軽視しているとみなされ、ビジネスパーソンとしての信頼を、著しく損なう危険性があります。企業側から見ても、まだ具体的な実績を残していない段階の社員に対して、例外的な給与の引き上げを認める合理的な理由は、存在しないのが実情です。

評価制度に基づく定期的な昇給を目指すのが一般的

入社後の年収アップは、個別の特別な交渉によって勝ち取るというよりも、企業があらかじめ定めている、人事評価制度に則って、定期的な昇給を目指すアプローチが、最も一般的かつ現実的となります。多くの企業では、半年に一度、あるいは一年に一度の頻度で、社員の業績や能力を評価するタイミングが、設けられています。この正規の評価プロセスを通じて、自身が会社にどれだけの利益をもたらしたのかを正当にアピールし、給与テーブルにおける自身の等級を上げていくことが、入社後に年収を増やしていくための、基本戦略となります。

入社後に給与交渉(昇給交渉)を行うための具体的なステップ

入社後に、自身の働きに見合った適正な給与を獲得するためには、感情的な要求ではなく、企業のルールに基づいた、計画的なアプローチを進めることが求められます。

企業の評価基準と給与テーブルを正確に把握する

入社後に年収アップを目指すための第一歩は、自社の人事評価制度や、給与が決定される仕組みを、正確に把握することです。就業規則や社内ポータルサイトなどを確認し、どのような成果を出せば評価が上がるのか、また、次の等級に上がるためには、どのようなスキルや要件を満たす必要があるのかを、詳細に読み解きます。評価の基準が明確に設定されている企業であれば、その基準から逆算して、自身が取り組むべき目標を定め、上司と共有しておくことで、後の評価面談において、説得力のある主張を展開することが可能となります。

目に見える実績を作り、客観的なデータとして記録する

企業に対して、給与の引き上げを伴う高い評価を求めるためには、誰の目にも明らかな、客観的な実績を積み上げることが、不可欠となります。担当している業務において、売上の向上、コストの削減、あるいは、業務プロセスの大幅な効率化など、会社に直接的な利益をもたらす成果を追求します。そして、それらの成果を「一生懸命頑張りました」といった抽象的な言葉ではなく、可能な限り具体的な数字を用いて、客観的なデータとして、日頃から記録しておくことが大切です。確たる証拠に基づいた実績の提示は、上司がさらに上の経営層に対して、あなたの昇給を推薦する際の、強力な後押しとなります。

人事評価の面談のタイミングを見計らって相談する

自身の希望を伝える最適なタイミングは、定期的に実施される、人事評価面談や目標設定面談の場となります。この公式な対話の場において、あらかじめ記録しておいた具体的な実績データを提示し、自身が企業の業績向上に、どのように貢献したのかを、論理的に説明します。その上で、「今後の役割や期待される成果を踏まえ、現在の給与テーブルにおける自身の位置づけについて、少しご相談させていただくことは可能でしょうか」といったように、あくまで謙虚な姿勢で、前向きな相談として切り出すことが、円滑な対話を進めるためのコツとなります。

入社後に給与交渉を行う際の重要な注意点

入社後の環境において、企業との良好な関係を維持しつつ、キャリアを築いていくために、遵守すべき重要なルールが、いくつか存在します。

入社前の条件合意を覆すような不満の表明は避ける

評価面談の場などにおいて、給与に関する相談を行う際、「入社時の給与がそもそも低すぎた」「聞いていた話と違う」といった、過去の合意を覆すような、ネガティブな不満を表明することは、厳に慎むべきです。このような発言は、現状の課題解決にはつながらないばかりか、上司や会社に対する不信感を露わにしていると受け取られ、心証を大きく悪化させる原因となります。過去の経緯を非難するのではなく、あくまで「これからの貢献」と「未来の評価」に焦点を当てた、建設的な対話を心がける必要があります。

他の社員の給与額を引き合いに出して比較しない

「同僚の〇〇さんの方が給与が高いのは納得がいかない」「自分の方が仕事をしているのに、評価が低い」といったように、他の社員の給与や待遇を引き合いに出して、自身との比較を交渉の材料にすることは、絶対に避けるべきです。人事評価は、個人の能力や役割、あるいは、入社時の経緯など、多様な要素を総合的に考慮して決定されるものであり、単純な比較はできません。他人を下げることで自身を上げようとする姿勢は、組織の和を乱す協調性に欠ける人物であるとみなされ、かえって自身の評価を下げる結果を招くため、常に自分自身の成果と、会社への貢献度のみをベースに、論理的な対話を展開することが重要です。

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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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