2025.04.20

病院での給与交渉を成功させる方法｜医療職特有の交渉タイミング・伝え方・注意点を徹底解説

ライト

医療業界、とくに病院で働く看護師・薬剤師・臨床検査技師・事務職員・医師などにとって、給与に関する相談は「なかなか切り出しづらい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、勤続年数が長くなったときや、業務の負担が増えたとき、転職を検討しているときなどには、適切なタイミングでの給与交渉は必要不可欠です。

この記事では、「病院給与交渉」というキーワードをもとに、給与交渉が可能な職種とタイミング、話し方、実際に通る金額幅の目安、成功例、そして避けるべき言い回しや注意点までを、医療現場に即した形で詳しく解説します。

Contents

病院で給与交渉できるのはどんなとき？
- ▶ 給与交渉が検討しやすいタイミング
病院での給与交渉｜どんな職種で通りやすい？
給与交渉の進め方と伝え方（現場で使える例文付き）
- ▶ 面談時の切り出し例
- ▶ 転職時（他院から内定をもらった場合）
交渉時に期待できる昇給幅の目安
成功事例｜病院で給与交渉が通ったケース
- ▶ ケース①：看護師（勤続6年目・病棟リーダー）
- ▶ ケース②：臨床検査技師（転職内定者）
給与交渉での注意点（病院特有のリスク）
まとめ｜病院での給与交渉は「根拠とタイミング」がカギ
- ✅ 最後に押さえておきたいポイント

病院で給与交渉できるのはどんなとき？

病院という組織は公的・私的を問わず人事制度が明確に定まっていることが多く、急な昇給は難しい反面、「交渉の機会」は意外と存在しています。

▶ 給与交渉が検討しやすいタイミング

タイミング	解説
✅ 契約更新時（特に非正規職員）	年度末や半年ごとの契約更新時が交渉チャンス
✅ 昇進・昇格時	主任、係長、チームリーダーなどポジション変更の際
✅ 人事評価面談時	正社員の定期面談は評価反映交渉の場として有効
✅ 業務内容・役割の大幅変更時	病棟異動、夜勤専従、プリセプター業務など
✅ 転職活動の内定受諾前	他院からの内定提示直後が最も交渉しやすい

病院での給与交渉｜どんな職種で通りやすい？

職種	傾向と特徴
✅ 看護師	勤務年数、夜勤回数、資格手当などが交渉対象に
✅ 医師	実績（手術件数、診療科実績）に応じた交渉が可能
✅ 薬剤師	調剤業務＋病棟業務など業務範囲が拡大した場合に調整余地あり
✅ 臨床検査技師・放射線技師	夜勤手当や検体数による成果ベースの相談が可能
✅ 医療事務	正社員登用・管理職昇格時に交渉のチャンス

給与交渉の進め方と伝え方（現場で使える例文付き）

病院では「私情や感情」で交渉するよりも、「事実・実績・貢献度」に基づいて伝える方が信頼されやすく、通りやすくなります。

▶ 面談時の切り出し例

お忙しいところ失礼いたします。
本日は、これまでの勤務を通じて担ってきた業務内容と責任の変化について、ご相談させていただきたくお時間をいただきました。

特に〇〇業務（例：夜勤専従、後輩指導、病棟の責任者）を継続的に担当しており、貢献度に見合った形での処遇改善を前向きにご検討いただけますと幸いです。

▶ 転職時（他院から内定をもらった場合）

このたび御院より内定をいただき、大変光栄に思っております。
一点、給与面についてご相談があり、現在のオファーでは年収〇〇万円と提示いただいておりますが、
前職では〇〇万円をいただいており、役割や勤務条件を踏まえて、〇〇万円程度での調整をご検討いただけますと非常にありがたく存じます。

交渉時に期待できる昇給幅の目安

病院は給与テーブルがあることが多いため、大幅な増額は難しいですが、条件に応じた調整は現実的に可能です。

交渉対象	目安（昇給幅）	備考
時給（パート・派遣）	＋50～150円程度	経験年数や勤務貢献度により変動
月給（正職員）	＋5,000～30,000円程度	昇進や手当追加による昇給
年収ベース（転職時）	5～15％程度のアップ	責任範囲や役職が増えた場合は最大20％以上も

成功事例｜病院で給与交渉が通ったケース

▶ ケース①：看護師（勤続6年目・病棟リーダー）

勤務：夜勤8回／月＋新人教育担当
希望：月給28万円 → 30万円への見直し希望
結果：役職手当1万円＋資格手当3,000円追加で実質昇給達成

▶ ケース②：臨床検査技師（転職内定者）

前職年収：410万円
提示年収：400万円
希望：430万円（オンコール対応が追加されるため）
結果：420万円＋交通費全額支給で最終調整

給与交渉での注意点（病院特有のリスク）

NG行動	理由
❌ 感情的な主張（例：「他の人より多く働いてるのに…」）	病院では客観的根拠が重視される
❌ 他の職員と比較する発言	職場の人間関係に悪影響を及ぼす
❌ 強引な引き上げ要求	給与規程を超えた無理な要求は信頼を損なう
✅ “相談”の姿勢で臨む	医療現場では「協調性」と「信頼性」が重要視される