転職面接における挨拶のマナーと流れ・場面別の基本フレーズ
中途採用の面接において、第一印象を大きく左右するのが「挨拶」の立ち居振る舞いです。職務経歴や自己PRの内容をいくら入念に準備していても、入室時や退室時の挨拶がおろそかであれば、ビジネスパーソンとしての基本動作や礼節を疑われてしまいかねません。
特に中途採用では、社外のクライアントや取引先と信頼関係を築ける人物かどうかが、初対面の所作から見極められます。面接会場の受付から入室、着席、退室、さらにはオンライン面接に至るまで、場面ごとの適切な挨拶の言葉遣いや動作のマナーについて解説します。
転職面接における挨拶の基本原則
面接での挨拶は、単に決まった言葉を口にするだけでなく、動作や表情と調和していることが求められます。
「語先後礼(ごせんごれい)」を徹底する
丁寧で落ち着いた印象を与えるための鉄則が「語先後礼」です。言葉を発しながら同時にお辞儀をする「ながら礼」は、慌ただしく雑な印象を与えてしまいます。「失礼いたします」と言葉を述べて相手の目を見てから、腰を折ってお辞儀をするというように、発声と動作を分離することが重要です。
相手に届く発声と自然なアイコンタクト
大きな声を張り上げる必要はありませんが、語尾まで明瞭に聞き取れるトーンを意識します。視線が下を向いたまま挨拶をすると、自信のなさや消極的な姿勢に映るため、挨拶の前後には必ず面接官の目を見て軽く微笑むような表情を作ります。
受付から退室までが選考の場である意識
面接官と対面している時間だけが挨拶の対象ではありません。受付の担当者、すれ違う社員、案内係など、企業敷地内でのすべての接触において礼儀正しい態度を保ちます。
場面別の挨拶の流れと具体的なフレーズ
来社から退出まで、時系列に沿った一連の挨拶の流れと実践フレーズです。
1. 受付・総合窓口での挨拶
面接開始時刻の10分前を目安に受付へ向かいます。早すぎる到着(30分前など)は相手の業務を妨げるため避けます。
- 受付スタッフがいる場合
「本日、〇時より採用面接の約束をいただいております、〇〇(フルネーム)と申します。採用ご担当の〇〇様(または人事部様)にお取次ぎをお願いできますでしょうか」 - 内線電話を使用する場合
「お仕事中に恐れ入ります。本日、〇時より面接のお時間をいただいております、〇〇(フルネーム)と申します。採用ご担当の〇〇様をお願いできますでしょうか」
2. 面接室への入室時の挨拶
名前を呼ばれたら、ドアをゆっくりと3回ノックします。
- 室内の面接官から「どうぞ」「お入りください」と声がかかったら、「失礼いたします」と発声してドアを開けます。
- 入室後、面接官に完全に背中を向けないよう斜めを向きながら静かにドアを閉めます。
- 向き直って面接官の目を見て「よろしくお願いいたします」と述べ、30度のお辞儀をします。
- 用意された椅子の横(原則として下座側・ドアに近い側)まで姿勢よく歩きます。
3. 着席前の挨拶
椅子の横、または後ろに立ち、すぐに座らず姿勢を正します。
- フレーズ
「〇〇(フルネーム)と申します。本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします」 - 動作
言葉を述べ終えた後、45度の深いお辞儀をします。 - 着席
面接官から「どうぞお掛けください」と促されたら、「失礼いたします」と一言添えて浅めに一礼し、着席します。鞄は椅子の横の床に自立させて置きます。
4. 面接終了・退室時の挨拶
質疑応答が終わり、面接官から「本日の面接は以上となります」と告げられた後の動作です。最後まで緊張感を抜かないことが大切です。
- 着席したままのお礼
座った姿勢で面接官の目を見て、「本日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました」と感謝を述べ、座ったまま深く一礼します。 - 立ち上がっての一礼
立ち上がり、荷物を手にした後、椅子の横であらためて「失礼いたします」と述べ、45度のお辞儀をします。 - ドア前での最後の挨拶
ドアの前まで移動したら、面接官側に向き直り、「失礼いたします」と述べて30度の一礼をします。 - 退室
静かにドアを開け、身体を完全に後ろに向けないよう注意しながら室外に出て、大きな音を立てずにドアを閉めます。
オンライン面接(Web面接)における挨拶のポイント
Web面接では、対面とは異なる画面越しの特有のマナーに注意を払う必要があります。
接続直後の第一声
指定された接続URLには開始5分前に入室して待機します。面接官の映像と音声が繋がった段階で、自ら口火を切って挨拶します。
- フレーズ
「初めまして、本日面接のお時間をいただいております、〇〇(フルネーム)と申します。本日はよろしくお願いいたします。そちらにお声は届いておりますでしょうか」 - 注意点
最初に音声の到達確認を行うことで、通信トラブルによる聞き逃しを防ぎ、スマートな配慮を示せます。
画面越しでのお辞儀と視線
座った状態でお辞儀をする際、頭を深く下げすぎると画面から完全に頭部が消えてしまうことがあります。画面に上半身が適切に映る位置を保ち、胸から上を軽く前に傾ける程度のお辞儀で十分に丁寧さが伝わります。また、挨拶の際は画面の面接官の顔ではなく、PCの「カメラレンズ」に視線を合わせることで、相手側からまっすぐ目線が合っているように見えます。
終了・切断時の挨拶
面接が終了したら、感謝の言葉を述べた後に座ったまま一礼します。
- フレーズ
「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。失礼いたします」 - 切断のタイミング
一礼した後、すぐに通話切断ボタンを押すのではなく、面接官が退室するか「画面を閉じていただいて構いません」と指示があってから、静かに通話を終了します。
挨拶でマイナス評価を避けるための注意点
些細な癖や油断が、面接官への悪印象につながることがあります。
- 語尾を伸ばしたり小さく消え入るように話さない
「〇〇でぇー」「よろしくお願いしますぅ」といった語尾の伸びや、文末が曖昧になる話し方は、幼さやだらしなさを感じさせます。語尾は「〜です」「〜ます」と言い切る意識を持ちます。 - 入室を許可される前にドアを開けない
ノックの直後に返答を待たずドアを開けてしまうのはマナー違反です。必ず室内からの応答を確認してからドアノブに手をかけます。 - 建物を出るまで気を緩めない
面接室を出た直後にエレベーターホールで携帯電話を取り出したり、ネクタイを緩めたりする行為は避けます。企業の敷地やオフィスビルを出るまでは、どの社員に見られているか分からないという意識を持ち、姿勢を保ちます。



