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転職時の給与交渉における源泉徴収票の活用法|提示の目的・適切な使い方・注意点まで詳しく解説

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転職活動では、選考を通過した後に「給与条件のすり合わせ=給与交渉」の場面が必ず訪れます。その際、希望年収の正当性を裏付ける手段として注目されるのが「源泉徴収票」の提示です。特に中途採用では、過去の年収実績を根拠に交渉を行うケースが多く、源泉徴収票がその証拠資料として使われることがあります。

この記事では、「転職 給与交渉 源泉徴収」というキーワードをもとに、企業が源泉徴収票を求める理由、交渉における効果的な使い方、提出のタイミングと注意点、実際の交渉例までをわかりやすく解説します。


源泉徴収票とは?給与交渉での役割

源泉徴収票とは、勤務先が年末調整の結果として発行する1年間の給与・所得税の明細書です。

▶ 給与交渉で使われる理由

  • 過去の年収実績を客観的に証明できる資料
  • 口頭での年収申告と実際の金額に乖離がないか確認するため
  • 企業やエージェントが提示年収を妥当と判断する根拠となる

特に前職年収を超える条件を希望する場合や、年収が高水準である場合、企業側としては「事実確認」を行いたいため、源泉徴収票の提出を求めることがあります。


転職活動で源泉徴収票が求められるタイミング

タイミング目的・背景
✅ 内定後のオファー提示前希望年収の妥当性を確認し、提示額を調整するため
✅ 年収交渉時高年収希望の場合に実績の裏付けとして
✅ 入社書類として所得税・社会保険手続き用に必要な場合もある

選考中や一次面接段階で提出を求められることはまれであり、ほとんどは内定後の条件提示直前に依頼されることが一般的です。


源泉徴収票を使った給与交渉の進め方

① 希望年収を明確に提示する

例:

「希望年収としては、これまでの経験・スキルを踏まえ、600万円程度を考えております。」

② 根拠として源泉徴収票を提示する

例:

「参考までに、昨年の源泉徴収票を添付いたします。前年年収が580万円で、現職でも同程度の役割を担っております。」

③ 条件調整の余地を示す

例:

「もちろん、貴社の給与テーブルに応じて柔軟に調整できればと考えております。」


給与交渉における源泉徴収票の提出例(メール文)

件名:年収条件に関する資料提出の件

〇〇株式会社 採用ご担当者様

お世話になっております。
このたびは内定およびご提示条件に関するご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

ご依頼いただきました昨年分の源泉徴収票を本メールに添付いたします。
年収交渉の際の参考資料としてご確認いただけますと幸いです。

ご不明点などございましたら、お知らせくださいませ。

何卒よろしくお願い申し上げます。

氏名:〇〇〇〇
添付:源泉徴収票(2023年分)


実際の交渉成功例

▶ ケース①:30代マーケティング職(転職希望年収650万円)

  • 現職では年収620万円(基本給+賞与あり)
  • 希望額:650万円
  • 源泉徴収票を提示し、業務内容・リーダー経験を補足
  • 企業側が「実績の裏付けあり」と判断し、希望額を満額提示

▶ ケース②:40代ITエンジニア(前職退職後3ヶ月)

  • 退職後だったため給与証明の信頼性が低下
  • 源泉徴収票により「前職年収720万円」が明示され、交渉がスムーズに
  • 年収750万円の条件でオファー確定

注意点|源泉徴収票を使う際の5つのチェックポイント

項目チェックポイント
✅ 最新年度か過去のものでは信頼性が下がる
✅ 改ざんや加工は絶対NG虚偽の申告は内定取り消しにつながる
✅ 個人番号(マイナンバー)は塗りつぶすセキュリティ対策として必要
✅ 提出は「信頼関係構築の一環」強要ではなく“協力の姿勢”で提出する
✅ 社外秘資料の扱いに注意提出先が明確な場合のみ共有すること

源泉徴収票なしでも交渉は可能か?

もちろん可能です。以下のような代替資料で対応できます。

  • 給与明細(直近3ヶ月分など)
  • 雇用契約書の給与欄
  • オファーレター(外資系の場合)
  • 年収査定の証明書(エージェント経由での提示)

まとめ|源泉徴収票は転職時の給与交渉を後押しする「信頼の証明書」

転職活動における給与交渉では、「希望年収」に加えて「現実的な実績」が求められます。
その際に源泉徴収票は、客観性・信頼性・交渉力を高める有効なツールとなります。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 源泉徴収票は過去の年収を証明する重要資料。特に転職時の給与交渉において有効
  • 提出タイミングは「オファー提示直前」が一般的
  • 希望額の根拠として提示することで、交渉がスムーズに進みやすくなる
  • 代替資料でも対応可能だが、源泉徴収票が最も信頼性が高い

正確な情報で信頼を築くことが、転職先との良好な関係と納得のいく条件を引き出す第一歩です。源泉徴収票を“交渉の武器”として、戦略的に活用していきましょう。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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