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リファラル採用における給与交渉の進め方|紹介だからこそ注意すべき交渉マナーと成功のコツ

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近年、企業の採用手法として注目を集めているリファラル採用(社員紹介制度)。信頼性の高い人材を効率的に獲得できることから、多くの企業が導入を進めています。
一方で、リファラル採用で選考を進めている求職者にとって悩ましいのが「給与交渉」です。「紹介してくれた知人に気まずさがある」「企業との距離が近くて交渉しづらい」など、通常の転職とは異なる繊細さが求められます。

この記事では、「リファラル採用 給与交渉」というキーワードをもとに、リファラル採用における給与交渉の正しいやり方、適切なタイミング、注意点、成功させるコツ、実際の文例まで詳しく解説します。


リファラル採用とは?給与交渉に影響する特徴

リファラル採用とは、企業の社員が自分の知人・友人・元同僚などを紹介し、選考・採用につなげる仕組みです。
企業側にとっては「信頼性のある人材」を、求職者側にとっては「リアルな社内情報を得たうえで応募できる」というメリットがあります。

しかし給与交渉においては、以下のような点で慎重な姿勢が求められます:

特徴影響
社員との関係がある強引な交渉が紹介者の評価に影響する可能性
社内評価が最初からある程度決まっている職種・役割・等級が事前に想定されやすい
条件提示が早いケースが多い曖昧なまま選考を進めると交渉しにくくなる

リファラル採用での給与交渉のタイミング

リファラル採用でも、給与交渉は「内定提示後〜承諾前」が基本ルールです。
紹介だからといって最初から交渉するのは避け、誠実かつ論理的なアプローチを取ることが重要です。

タイミング説明
❌ エントリー時条件重視と受け取られ、印象を損ねるリスク
❌ 面接中紹介者の顔を潰しかねないため避けるべき
✅ 内定提示後条件書を受け取ったタイミングが最適
◎ 企業から「ご質問ありますか?」と言われたとき柔らかく相談ベースで交渉できるタイミング

給与交渉の伝え方|紹介者を巻き込まないのが基本

紹介者(友人や知人)に「給与の話をしておいてほしい」と頼むのはNGです。交渉は必ず自分で行いましょう。

▶ 伝え方の例(メール・口頭)

「内定およびご提示条件について、誠にありがとうございます。
ご提示いただいた内容について一部ご相談があり、
前職での年収および今回の業務範囲を踏まえ、年収○○万円程度をご検討いただけないかと考えております。

あくまで希望ベースであり、貴社の制度や基準に沿ったうえで柔軟に対応させていただきます。」

このように、“希望額”と“根拠”をセットで提示し、相手の判断を尊重する言い回しを心がけましょう。


リファラル採用で給与交渉する際の注意点

注意点理由
❌ 紹介者に給与を聞く内部情報を無理に引き出すのはトラブルの元
❌ いきなり高額を提示する社内相場から外れると「不協和音」の原因に
❌ 他社との比較を持ち出す「条件重視」の印象を与え、信頼を損なう
✅ 柔らかく相談スタンスで交渉する相手に配慮しつつ自己主張も通すバランスが大切

給与交渉で伝えるべき根拠の例

リファラル採用でも、希望金額の根拠をしっかり持つことで交渉は成功しやすくなります。

根拠具体例
前職の年収「前職では年収○○万円でした。今回も同等の役割を担うため…」
実績・スキル「マネジメント経験あり」「○○資格保有」「年間売上○%達成」
市場価値「同業界・同職種での相場と照らし合わせ…」
担当業務の難易度「新規立ち上げ部門の中心的ポジションと認識しております」

リファラル採用の給与交渉を成功させるコツ

コツ解説
✔ タイミングは「条件提示後」に限定段取りを守ることが信頼につながる
✔ 交渉内容は必ず自分で伝える紹介者を巻き込むのはリスクが高い
✔ 納得できる“理由”を明確に伝える感情ではなく実績・価値で語る
✔ 柔軟性のある言い回しを意識「相談ベース」「ご判断を尊重します」など
✔ 条件合意後は感謝を伝える「調整いただきありがとうございます」の一言が信頼を高める

実例:リファラル採用で給与交渉に成功したケース

▶ ケース①:ITエンジニア(30代前半・年収アップに成功)

紹介者:前職の同僚/内定提示額:年収550万円/希望額:580万円 → 成立

交渉の際、「前職で年収570万円、今回は同等または上回る業務範囲と理解しております」と論理的に提示。
「前向きに入社したい意志が強い」と伝えたことで、交渉成立。


まとめ|リファラル採用での給与交渉は“信頼とバランス”がすべて

リファラル採用は、一般の選考とは異なり**「紹介」という信頼の上に成り立っている採用方法です。
そのため、給与交渉では
信頼関係を大切にしながらも、自分の価値を冷静に伝えるバランス**が重要になります。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 給与交渉は必ず“内定提示後”に、自分の言葉で行う
  • 希望金額の根拠は「前職年収・スキル・市場価値」で明確にする
  • 紹介者を巻き込まず、交渉はあくまで個人の責任で進める
  • “相談ベース”で誠実に話す姿勢が、企業側の信頼を引き出すカギ

リファラル採用だからこそ、“信頼を守りながら、自己価値を正しく伝える”ことが、後悔のない転職と適正な評価の第一歩になります。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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