無期雇用派遣における給与交渉の現実と成功のためのポイント
「安定性のある雇用形態」として注目されている無期雇用派遣。
正社員と派遣の“中間”のような位置づけで、雇用主(派遣会社)とは無期契約を結ぶものの、実際の勤務先は別の派遣先企業になります。
そんな無期雇用派遣においても、「給与条件に納得できない」「待遇を見直したい」と感じたときには、給与交渉を検討する場面が出てきます。
この記事では、「無期雇用派遣 給与交渉」というキーワードをもとに、無期雇用派遣における給与の特徴、交渉の仕方、注意点、そして成功のコツについて詳しく解説します。
無期雇用派遣とは?給与体系の基本
無期雇用派遣は、派遣社員でありながら派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方です。
特徴 | 内容 |
---|---|
✅ 派遣元企業(派遣会社)と無期契約を締結 | |
✅ 派遣先企業で業務を行う(就業場所は変動の可能性あり) | |
✅ 雇用期間の制限なし(安定雇用) | |
✅ 就業していない期間も基本給が支払われる場合が多い |
給与は派遣元(所属会社)が支払うため、交渉相手は派遣先企業ではなく、派遣元の人事担当者となります。
無期雇用派遣における給与交渉のタイミング
給与交渉のタイミングは、以下のような節目が適しています。
タイミング | 解説 |
---|---|
✅ 初回契約時(無期化時) | 初回の無期契約締結は絶好の交渉機会 |
✅ 派遣先変更時 | 業務内容・責任が変わるタイミングは好機 |
✅ 勤続年数や評価制度に応じた昇給時期 | 年1回など定期評価のタイミングでの申請 |
✅ スキルアップ・資格取得後 | 派遣先の評価や自己努力を根拠にしやすい |
無期雇用派遣における給与交渉の進め方
✅ 1. 派遣元との関係性を意識する
給与の決定権を持つのは「派遣元(雇用主)」です。
したがって、「派遣先で評価されている」ことを伝える場合でも、交渉は必ず派遣元の担当者と行います。
✅ 2. 客観的な根拠をそろえる
- 派遣先での業務内容や責任の重さ
- 担当している職務範囲の変化(指導担当・リーダー業務など)
- 評価制度に基づく成果・勤怠の安定
- 同一労働同一賃金の観点からの比較
例:
「現在の派遣先では、社員と同様の業務内容を任されており、
担当業務の範囲も以前より広がっています。
つきましては、待遇面の見直しをご相談させていただければと考えております。」
✅ 3. 派遣先の評価を交渉材料に活用する
もし派遣先から高く評価されているなら、派遣元に伝えることで、交渉材料になります。
「派遣先の○○様から『重要なプロジェクトでの貢献が高い』との評価をいただいています。
今後のモチベーション向上のためにも、条件についてご相談させていただければ幸いです。」
給与交渉の伝え方(無期雇用派遣向けメール例)
件名:給与条件に関するご相談
○○株式会社 人事ご担当者様
いつもお世話になっております。○○と申します。
現在の派遣先にて、これまでよりも責任の大きい業務を任されるようになり、
継続的に成果を出すことができております。つきましては、勤続○年を迎えるこのタイミングで、給与条件についてご相談させていただけないかと思いご連絡いたしました。
ご多忙のところ恐縮ですが、一度お話のお時間をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。○○ ○○
無期雇用派遣の給与交渉で注意すべき点
注意点 | 解説 |
---|---|
❌ 派遣先に直接交渉する | 雇用契約があるのは派遣元のため、ルール違反 |
❌ 感情的・一方的に訴える | 冷静な交渉が信頼関係のカギ |
❌ 他社の給与と比較して不満を伝える | 派遣元の制度や実績を基にした話の方が効果的 |
❌ 曖昧な表現(例:「もう少し…」) | 希望額・根拠は明確に伝えることが重要 |
無期雇用派遣で給与アップしやすい行動とは?
行動 | 内容 |
---|---|
✔︎ スキルアップ・資格取得(例:MOS、TOEIC、ITパスポートなど) | |
✔︎ 勤怠の安定、業務報告の丁寧さ | |
✔︎ 長期就業・高評価の継続 | |
✔︎ 派遣先からの契約継続希望 |
まとめ|無期雇用派遣でも給与交渉は可能。成長と実績を武器に冷静に進めよう
無期雇用派遣は「給与が固定されやすい」と思われがちですが、業務内容の変化や評価、実績を根拠に交渉することで待遇改善のチャンスはあります。
✅ 最後に押さえたいポイント
- 給与交渉の相手は“派遣元”の担当者
- タイミングは派遣先変更・評価時・節目の年次が最適
- 客観的な根拠と誠実な姿勢が交渉成功のカギ
- 感情ではなく事実と実績で交渉を行う
- 長期的な信頼関係が待遇改善につながる
給与条件に納得できることは、長く働き続けるための大切な土台です。
無期雇用派遣という立場でも、きちんと自分の価値を伝えて、適正な評価を得ましょう。