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複数内定時の給与交渉戦略|比較・提示の仕方・企業に嫌われないための交渉術

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転職活動が順調に進んだ結果、複数の企業から内定を獲得するケースもあります。このような場面では、「どの企業を選ぶか」を判断するだけでなく、給与交渉のチャンスとしても活用できます。

この記事では、「複数内定 給与交渉」というキーワードをもとに、複数社の内定をどう活かすか、給与交渉の進め方、注意点、伝え方の例文まで、実践的に解説します。


なぜ複数内定は給与交渉に有利なのか?

複数社から内定をもらっている状態は、転職市場において**「あなたの市場価値が高い」ことの証明**です。
企業にとっては他社に取られたくないという心理が働くため、給与や条件の見直しに前向きになりやすいのが現実です。


給与交渉に使える「複数内定」の効果とは?

メリット解説
✅ 比較材料があることで交渉しやすい「他社では○○の条件でした」と具体的に伝えられる
✅ 本命企業に条件改善を促せる「あと一押しで決めたい」という意思表示になる
✅ 自分の市場価値を実感できる提示された給与の幅で、相場感が明確になる

複数内定時の給与交渉を行うベストなタイミング

  • 正式な内定通知(雇用条件提示)を受け取ったあと〜承諾前
  • 本命企業に入社意向を伝えつつ、**「条件について相談したい」**という形でアプローチ

⚠️交渉のタイミングを誤って内定承諾後に切り出すと、「後出しジャンケン」になり、信頼を損なうリスクがあります。


給与交渉の正しい進め方|複数内定時の戦略的ステップ

✅ STEP1:各社の提示条件を一覧化・比較する

項目A社B社
年収520万円550万円
賞与年2回(4ヶ月)年1回(業績連動)
勤務地東京リモート可
勤務時間9:00〜18:00フレックス制

→ 条件を定量化・可視化することで、どこが交渉可能かが明確になります。


✅ STEP2:本命企業に意向を示しつつ、相談の形で交渉を切り出す

  • 「御社で働きたいが、条件面で検討したい点がある」
  • 「他社と比較して納得した上で決めたい」
  • 「最終的な意思決定の前に、給与面のご相談をさせてください」

✅ STEP3:他社内定を“交渉材料”に使うが、“圧力”にしない

NG例:

「他社のほうが年収が高いので、上げてくれないなら辞退します」

OK例:

「他社から○○万円の提示をいただいており、条件面で迷っている状況です。
御社で長く働きたいと思っておりますので、可能であれば年収面でご調整いただけると大変ありがたく思います。」


給与交渉メール例文(複数内定あり)

件名:雇用条件についてのご相談

○○株式会社 採用ご担当者様

お世話になっております。○○と申します。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

御社の事業内容・社風ともに大変魅力を感じており、前向きに入社を検討しております。

そのうえで、他社からも内定をいただいている関係で、条件面について一点ご相談させていただければと思っております。

現在、別企業様からは年収○○万円(賞与含む)程度の提示を受けており、待遇面での差に迷っている状況です。
御社での長期的なキャリアを強く希望しているため、可能な範囲でご調整いただけますと幸いです。

ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○○ ○○(署名)


給与交渉の際に気をつけたいNGポイント

NG行為理由
📌 他社名を具体的に出す企業間での信頼関係を損なう可能性
📌 高圧的・強気すぎる言い方「条件でしか動かない人」と見られやすい
📌 即答を迫る相手にも社内稟議の時間が必要
📌 嘘の条件を提示後でバレると内定取り消しのリスクあり

複数内定を活用した給与交渉が成功するパターンとは?

  • 他社条件を「参考情報」として活用し、柔らかく相談
  • 本命企業への入社意欲を明確に伝える
  • 金額だけでなく「納得感」を重視した姿勢を見せる
  • 必要であれば「他社を辞退する前提で交渉している」ことも示す

最終的に大切なのは「給与」だけではない

複数内定を比較する際、給与はもちろん重要ですが、以下の要素も総合的に判断することが肝要です:

  • 会社の安定性・成長性
  • 上司・チームとの相性
  • 福利厚生・休暇制度
  • キャリアパスと昇給の可能性
  • 働き方の柔軟性(リモート、フレックス)

まとめ|複数内定は給与交渉の好機。誠実かつ戦略的に活かそう

複数内定は、あなたの価値が高く評価されている証拠です。
その状況を活かして、「最も納得のいく環境」を自ら選び取る交渉力が求められます。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 複数内定時の給与交渉は「強み」だが、伝え方次第で印象が分かれる
  • 希望は「相談ベース」で伝える。強要や比較は避ける
  • 本命企業には「入りたい意思」を伝えたうえで交渉する
  • 曖昧な言い方より、丁寧かつ具体的な条件提示が効果的
  • 最終的には「給与+職場環境+将来性」のバランスで判断する

複数の選択肢がある今だからこそ、条件の交渉も“誠実な対話”として大切に進めていきましょう。
納得できる環境で働くことが、あなたのキャリアの大きな土台になります。

ABOUT ME
ライト
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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