2025.04.19

日本人と給与交渉｜文化的背景・交渉が苦手な理由・成功させるためのポイントとは？

ライト

給与交渉は、世界中で行われているキャリア形成の一環です。しかし、日本では「給与交渉」という言葉に対して、ためらいや抵抗感を持つ人が少なくありません。
実際、「日本人は給与交渉が苦手」とされることも多く、希望額を伝えられずに不満を抱えたまま働き続ける人も少なくないのが現実です。

この記事では、「日本人給与交渉」というキーワードをもとに、日本人が給与交渉に消極的な理由、日本企業の評価制度との関係、文化的背景、そして成功に導くための実践的な交渉術について解説します。

Contents

なぜ日本人は給与交渉が苦手なのか？
とはいえ、給与交渉は日本でも“できる”時代へ
日本人に合った給与交渉の進め方5ステップ
給与交渉の日本語表現・例文（面談・メール両用）
日本人が給与交渉を成功させるために大切なマインド
まとめ｜日本人でも給与交渉はできる。文化に合った方法で伝えよう
- ✅ 最後に押さえたいポイント

なぜ日本人は給与交渉が苦手なのか？

給与交渉が“当たり前”とされる国もある一方で、日本ではまだ交渉に対する心理的ハードルが高い傾向があります。その背景には、日本特有の文化・価値観・職場風土が大きく影響しています。

✅ 1. 空気を読む文化

「周囲と足並みを揃える」「出る杭は打たれる」といった同調圧力が強く、自分だけ優遇を求める行動が“わがまま”に映ることを恐れる人が多い。

✅ 2. 年功序列と終身雇用の残像

年齢とともに自然に昇給していくという**“自動的昇給”の慣習**が根強く、「自分から言わなくても上がるはず」と考える傾向がある。

✅ 3. お金の話は“タブー”という感覚

給料や待遇を話題にすること自体が**「いやらしい」「がめつい」**と見られやすく、話し出すことをためらってしまう。

✅ 4. 評価制度が不透明

「どうすれば給料が上がるのか」が明示されていない会社も多く、交渉するための材料や基準が曖昧で自信を持って交渉できない。

とはいえ、給与交渉は日本でも“できる”時代へ

近年は、年功序列よりも実力主義を採用する企業が増加し、転職市場も活発化していることから、給与交渉が以前よりも自然に行われるようになっています。

特に以下のようなケースでは、日本人であっても交渉をすべき・しやすい場面といえます。

シーン	理由
✅ 転職時の内定後～承諾前	企業も条件調整を前提に採用活動をしている
✅ 昇進・昇格タイミング	責任範囲が増えるため待遇見直しの機会
✅ 年次評価・査定面談	成果を基に客観的に交渉できる
✅ 現職と新天地の年収ギャップが大きい時	生活基盤を保つ必要がある場合に合理性がある

日本人に合った給与交渉の進め方5ステップ

✅ 1. 希望額とその根拠を明確に準備する

「いくら欲しいか」だけでなく、「なぜその金額を希望するのか」という**客観的根拠（現年収・経験・スキル・業界相場）**を用意しましょう。

✅ 2. 交渉のタイミングを見極める

もっとも自然で安全なのは、「内定通知後～承諾前」。承諾後や入社後は、企業側の変更が難しくなるため慎重に。

✅ 3. 「相談ベース」で丁寧に伝える

要求ではなく、「ご相談させていただければと思いまして」という柔らかい伝え方が日本企業には効果的です。

✅ 4. 感謝と入社意欲を明確に伝える

「御社で働きたい」という気持ちを最初に伝えることで、交渉の場が**“強要”ではなく“調整”であること**が伝わります。

✅ 5. 通らなかった場合も冷静に対応する

希望額に届かない場合でも、「評価制度」や「昇給チャンスの有無」を確認し、将来的に改善の余地があるかを見極めましょう。

給与交渉の日本語表現・例文（面談・メール両用）

「このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。御社で働けることを大変光栄に思っております。

そのうえで、年収について一点ご相談させていただければと存じます。
現職での年収が○○万円であり、これまでの経験や業務内容、また業界の平均水準を踏まえ、○○万円程度をご検討いただけますと幸いです。

あくまで希望としてのご相談ですので、御社の制度やご判断に沿って柔軟に対応させていただきたく存じます。」