現職から内定先への給与交渉|転職時における適切な伝え方と注意点
転職活動において、希望する企業から内定をもらえた瞬間は非常に嬉しいものです。
しかし、内定先から提示された年収や待遇が、現職よりも低い、または期待に届かないと感じたとき、どう行動すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「現職 給与交渉 内定」というキーワードをもとに、現職との比較を踏まえた給与交渉のポイント、企業に伝える際の言い回し、注意点や成功のコツまで、詳しく解説します。
内定先と現職の条件が合わないとき、給与交渉は可能?
はい、交渉は可能です。
むしろ、企業側から条件提示(年収・雇用形態・勤務地など)があった段階こそが、給与や待遇のすり合わせを行う絶好のタイミングです。
ただし、「現職ではもっともらっているから、上げてください」と単純に伝えるのではなく、企業にとっても納得できる交渉の仕方が求められます。
給与交渉の前に整理すべき「現職の情報」
内定先と交渉をするには、まず現職の待遇を正確に把握しておくことが前提です。以下の情報は必ず整理しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
基本給 | 毎月の固定給(手当を除く) |
賞与 | 年何回、いくら支給されているか |
残業代 | 見込み残業 or 実績支給か |
福利厚生 | 家賃補助・交通費・退職金制度など |
昇給実績 | 年1回・なし・業績連動など |
年収総額 | 上記をすべて含めた年間の実質手取り |
内定先に対する給与交渉の伝え方
現職との比較を前提に交渉する場合、最も重要なのは「交渉の仕方=伝え方」です。
▶ 面談や電話で伝える場合:
「内定をいただき、誠にありがとうございます。御社での業務内容には大きな魅力を感じており、前向きに検討しております。
そのうえで、提示いただいた年収について一点ご相談させていただきたく思っております。
現職では年間で約○○万円(基本給○○万円+賞与○ヶ月)をいただいており、生活水準やキャリアの連続性を考慮した場合、年収○○万円程度をご検討いただけますと幸いです。
あくまで希望であり、御社の評価制度や人事ポリシーに則って、柔軟に対応させていただければと考えております。」
▶ メールで伝える場合(テンプレート):
件名:雇用条件に関するご相談
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。○○と申します。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。御社での業務内容に大変魅力を感じており、入社を前向きに検討しております。
そのうえで、提示いただいた年収条件について一点ご相談させていただきたくご連絡いたしました。
現職では年収として○○万円(基本給○○万円、賞与○ヶ月)をいただいており、生活基盤やこれまでのキャリア構築を考慮した場合、年収○○万円程度をご検討いただけると大変ありがたく存じます。ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
現職と比較して交渉する際の注意点
注意点 | 解説 |
---|---|
高圧的・感情的にならない | 「これじゃ無理」といった否定表現はNG |
比較だけに頼らない | 現職年収だけでなく、「転職先で発揮できるスキル」も添える |
相場と現実のバランスを取る | 業界水準や企業規模を無視した希望は通らない可能性あり |
内定承諾前に交渉を済ませる | 承諾後の交渉は信頼を損ねるリスクあり |
給与交渉を有利に進めるための3つのコツ
✅ 1. 年収だけでなく「トータル報酬」で比較する
給与の額面だけでなく、福利厚生、交通費、残業代の支給方法などを加味して、年収換算で総合的に比較しましょう。
✅ 2. キャリアアップの観点も加える
年収交渉の際には、単に「現職より高くしてほしい」ではなく、
「この転職によってさらに高いレベルで貢献できる」ことも併せて伝えると印象が良くなります。
✅ 3. エージェントを活用するのも手
自分から企業に言い出しにくい場合は、転職エージェントに代理交渉を依頼することで、客観的かつスムーズに条件調整ができる場合があります。
まとめ|「現職との比較」を軸にした給与交渉は、丁寧に進めれば有効
内定先との給与交渉において、現職との比較は正当な材料になります。
ただし、それをどう伝えるかによって結果は大きく変わります。
✅ 最後に押さえておきたいポイント
- 現職年収は正確に把握し、内訳ごとに整理しておく
- 希望額は「理由(根拠)」+「柔軟な姿勢」で伝える
- 年収だけでなく、福利厚生やキャリアの成長性も比較検討する
- 交渉は内定通知後〜承諾前に行い、誠実な姿勢を心がける
給与交渉はあなたの価値を“伝える”場面です。
現職の条件を冷静に分析したうえで、根拠と誠意を持って交渉すれば、より良い条件で新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。