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派遣から直接雇用への切り替え時における給与交渉の進め方と成功のポイント

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派遣社員として働いていた人が、企業から**「直接雇用」**のオファーを受けることは珍しくありません。
その際に気になるのが「給与はどうなるのか?」「交渉してもいいのか?」という点です。特に、派遣から正社員・契約社員に切り替わるときの給与交渉には、派遣ならではの背景や注意点があります。

この記事では、「派遣 直接雇用 給与交渉」というキーワードをもとに、交渉が可能なタイミング、希望額の決め方、伝え方、成功させるための実践ポイントを詳しく解説します。


派遣から直接雇用になるとき、給与交渉はできる?

結論から言えば、給与交渉は可能です。
特に「直接雇用への切り替え=新たな雇用契約のスタート」であるため、交渉の余地があるタイミングとして認識されています。

✅ 特に交渉がしやすいパターン

  • **「紹介予定派遣」**として最初から直接雇用前提だった場合
  • 長期間の派遣勤務で、実績やスキルが十分にある場合
  • 正社員登用や契約社員化が提示されたタイミング

派遣から直接雇用への切り替え時に起こりやすい給与変動

▶ 給与が「下がる」ケースもある

派遣社員の時給換算額は、福利厚生費・交通費・社会保険料などが含まれているため、時給×勤務日数で計算した額よりも直接雇用時の月給が低く見えることもあります。

例:

雇用形態支給額のイメージ(例)
派遣(時給1,800円×8h×20日)月収28.8万円
直接雇用(契約社員・月給制)月給24万円+交通費・賞与

→ 見かけ上下がったように見えても、年収や手当、福利厚生を含めてトータルで比較することが大切です。


給与交渉をする最適なタイミング

給与交渉をするタイミングは、以下のような場面が適しています。

  • 内定や登用通知を受けた直後(契約書提示前)
  • 面談で「今後の条件」について話し合う機会が設けられたとき
  • 「雇用形態切替の案内」が文書・口頭でなされたタイミング

※契約書にサインしてしまった後では、交渉が極めて困難になるため注意が必要です。


希望給与の伝え方と根拠のつくり方

給与交渉では、**「希望額の理由」**が極めて重要です。以下を軸に準備しましょう。

✅ 根拠となる要素

  • 派遣期間中の実績(業務貢献、職域の広がり、他社員への教育など)
  • 派遣時代の収入実績(月収・年収換算)
  • 業界相場・同職種での平均年収(doda・マイナビ転職などで調査)
  • 通勤費、残業、福利厚生などの影響も加味する

✅ 希望額の伝え方(例文)

「御社での業務には大きなやりがいを感じており、これまで積み重ねた経験を今後も活かしていきたいと考えております。

直接雇用にあたり、処遇面についてご相談させていただきたいのですが、
派遣期間中の業務内容や実績、また市場の相場を踏まえ、
月給○○万円程度をご検討いただけますと幸いです。」

※「給与アップしてほしい」ではなく、「貢献内容に応じて見直していただきたい」という相談ベースの姿勢が効果的です。


給与交渉を成功させるコツ

コツ解説
入社意欲を明確に伝える条件だけを見ていないことをアピールできる
希望額に“幅”を持たせる「○○万〜○○万円程度」とすることで柔軟な印象を与える
業務内容の変化を具体的に示す正社員化後に責任範囲が広がることが根拠に
“トータルの年収”で考える月給だけでなく賞与・手当・福利厚生も含めて交渉する

交渉がうまくいかなかった場合の判断ポイント

給与交渉が受け入れられなかった場合も、それだけで直接雇用を断るかどうかは慎重に検討するべきです。

✅ 比較すべき視点

  • トータル年収(ボーナス・福利厚生含む)
  • 安定性(雇用保険・社会保険・昇給制度)
  • 職場の居心地・人間関係
  • キャリアの継続性と成長性

→ 一時的な金額よりも、長期的なキャリア価値を優先する判断が求められます。


まとめ|派遣から直接雇用への切り替えは“交渉のチャンス”。誠意ある提案で理想に近づける

派遣から直接雇用への移行は、「条件交渉ができる数少ないタイミング」です。
派遣時代の実績を正当に評価してもらうためにも、準備を整え、冷静かつ誠実に給与交渉を行うことがポイントです。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 直接雇用のオファーを受けた時点で、給与交渉のチャンスがある
  • 派遣時代の実績+相場+責任の変化を根拠に希望額を設定する
  • 「相談スタイル」で柔軟に交渉する姿勢が評価されやすい
  • 条件だけでなく、働き方やキャリアの視点でも総合的に判断する
  • 書面確認は慎重に、交渉は契約書へのサイン前に完了させる

給与交渉は、単に「金額」を求める場ではなく、あなたの価値と今後の働き方を企業とすり合わせるための重要な機会です。
派遣から新たなステージへ踏み出すその瞬間に、ぜひ納得のいく選択をしてください。

ABOUT ME
ライト
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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