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採用通知書を受け取った後の給与交渉は可能?注意点と成功のためのポイントを解説

ライト

転職活動や就職活動で無事に内定を獲得すると、企業から「採用通知書」が送られてきます。この書類には、配属予定部署や入社日、そして給与などの雇用条件が記載されており、入社意思の最終確認にあたる重要な書面です。

しかし、採用通知書の内容を確認した際に「思ったより給与が低い」「面接で聞いた条件と違う」といった違和感があることもあります。そのようなとき、「採用通知書のあとに給与交渉はできるのか?」と悩む人は少なくありません。

この記事では、「採用通知書 給与交渉」というキーワードをもとに、交渉が可能なタイミングと方法、注意点や具体的な伝え方までを詳しく解説します。


採用通知書とは?雇用契約書との違い

まず前提として、採用通知書は“内定通知”であり、法的拘束力を持つ雇用契約書とは異なる点を理解しましょう。

書類名目的法的拘束力
採用通知書内定を伝え、入社意思を確認する原則なし(内定取消し等の条件はあり)
雇用契約書雇用契約の成立を証明する正式文書あり(署名・捺印後は契約成立)

**つまり、採用通知書を受け取った時点では「まだ給与交渉ができるタイミング」**なのです。


採用通知書を受け取った後に給与交渉は可能か?

✅ 原則「サイン・承諾前」であれば、交渉は可能

採用通知書に明記されている給与条件に納得がいかない場合、以下の条件を満たせば交渉は可能です。

  • 採用通知書に対し、まだ承諾の意思を表明していない
  • 労働契約書(または労働条件通知書)にサインしていない
  • 企業側との信頼関係が保たれている

採用通知書を受け取ったあとの給与交渉の進め方とコツ

✅ 1. 「働く意欲」を先に示す

まず前提として、「この会社で働きたい」という意志をしっかり伝えることが重要です。これがあることで、給与交渉が“前向きな相談”として受け止められます。

▶ 例文

「御社からの採用通知を大変嬉しく受け取らせていただきました。
入社を前向きに検討しておりますが、1点だけ給与条件についてご相談させていただければと思っております。」


✅ 2. 希望する給与とその根拠を明確に提示

企業が納得するには、「なぜその金額を希望するのか?」を明確に伝えることが重要です。根拠が弱いと、単なる要望とみなされてしまいます。

▶ 根拠として使える要素

  • 前職の年収・月給の実績
  • 担当予定業務の責任範囲
  • 特殊スキル・資格の保有状況
  • 業界内での相場情報

✅ 3. 希望額は「レンジ」で柔軟に提示する

「年収500万円にしてください」と断言するのではなく、

「年収としては480〜520万円程度でご検討いただけますと幸いです。」

といったように、レンジを設けることで企業側にも調整の余地を与えることができます。


✅ 4. エージェント経由なら、交渉は代行してもらうのがベスト

転職エージェントを利用している場合は、エージェントが間に入ることで角を立てずに交渉がしやすくなります。
希望の給与を明確に伝えた上で、交渉の橋渡しをお願いしましょう。


採用通知書を受け取った後の給与交渉メール例文

件名:給与条件についてのご相談

○○株式会社 人事部 ○○様

このたびは採用のご通知をいただき、誠にありがとうございます。
御社で働く機会をいただけたことを心より感謝しており、前向きに入社を検討しております。

つきましては、1点だけご相談させていただきたいことがございます。
提示いただいた給与条件につきまして、前職での経験やスキルを踏まえ、
年収〇〇万円~〇〇万円程度をご検討いただくことは可能でしょうか。

お忙しいところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。


NGな給与交渉の例

NG対応理由
一方的に金額を押し通す交渉ではなく“要求”と受け取られる
「このままでは入社しません」と脅すような表現信頼を損ない、内定取消しのリスクあり
他社の条件を引き合いに出す不誠実な印象を与えることがある
具体的根拠を示さず「もっと上げてほしい」だけ説得力が弱く、交渉が成立しにくい

よくある質問(Q&A)

Q. 採用通知後の給与交渉で、内定取り消しされることはありますか?

A. 交渉自体が理由で内定が取り消されることはほとんどありません。
ただし、強引な交渉や失礼な言動をすれば、企業側に悪印象を与える可能性はあります。


Q. 採用通知後に交渉して断られたら、どうする?

A. 提示条件で入社するか辞退するかは、自身の希望と擦り合わせて判断しましょう。
また、「将来的な昇給の可能性」「評価制度の仕組み」などを確認することで、長期的な視点で納得できるケースもあります。


まとめ|採用通知書は“最終交渉のチャンス”。納得の条件でスタートを切ろう

採用通知書は、入社準備を進める前の最後の確認フェーズです。まだ労働契約は成立していない段階であるため、給与交渉は十分可能なタイミングです。
大切なのは、「働きたい」という姿勢を前提にしながら、希望を根拠立てて丁寧に伝えること。感情ではなく、ビジネスとして冷静にやり取りすることが信頼につながります。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 採用通知書の段階では、給与交渉はまだ可能
  • サイン・承諾前の「最終確認」として相談する
  • 希望額には前職実績やスキルなどの根拠を添える
  • 強引な要求は避け、誠実で前向きな姿勢を示す
  • エージェント経由の交渉も有効な手段

納得できる条件で入社することは、長く安定して働くための第一歩です。
採用通知書の段階こそ、**「自分の価値を正しく伝える最後のチャンス」**として、有意義な交渉に臨みましょう。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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