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海外での給与交渉はどう進める?国際的な場面で失敗しないための交渉術と英語表現のポイント

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グローバルな働き方が広がる中で、「海外就職や海外駐在に伴う給与交渉」が必要になる場面は増えています。しかし、日本国内とは文化や商習慣が異なるため、どのように交渉すればよいか分からない、という不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「給与交渉 海外」というキーワードを軸に、海外就職・海外転職・駐在赴任といったケースにおける給与交渉のポイント、国際的なマナー、英語での具体的な伝え方、各国の文化的特徴まで、実践的に解説します。


なぜ「海外の給与交渉」は特別なのか?

海外での給与交渉には、次のような特徴があります:

特徴内容
✅ 給与構成が「年収+インセンティブ+福利厚生」と多層的基本給だけでなく、ボーナス、手当、ストックオプションなども交渉対象に
✅ ネゴシエーション文化が前提の国が多い欧米では「交渉するのが当たり前」であり、交渉しないと損をすることも
✅ 現地の生活コストが大きく影響する為替、税率、物価の違いを加味した給与交渉が必要

海外勤務時に給与交渉を行うタイミングと場面

✅ 海外転職時(オファー提示後)

海外企業からオファーを受け取った段階で、給与条件を確認・調整するのが一般的です。提示額に疑問があれば、必ず交渉の場を持ちましょう。

✅ 海外駐在任命時

日本企業からの駐在派遣では、住宅手当・危険地域手当・帰国費用などの付加条件が交渉対象になります。

✅ 契約更改時(海外企業では1〜2年更新制が多い)

更新時に昇給・条件見直しの機会を得られる場合があります。


海外給与交渉の事前準備ポイント

準備項目具体的な内容
💰 相場調査現地の同職種・同業種の平均年収を調査(Glassdoor, Payscale, LinkedIn Salary等を活用)
📈 税制度・手当の理解税率、保険、福利厚生制度(現地通貨での手取りを計算)
🧾 自分の希望条件を整理希望最低ライン、交渉可能なレンジ、優先順位(年収か休暇かなど)

英語で使える給与交渉フレーズ例

✅ 基本的な交渉の切り出し

“Thank you for the offer. I’d like to discuss the compensation package further.”
(オファーありがとうございます。報酬面について少しご相談させてください)

✅ 希望を伝える表現

“Based on my experience and market standards, I was expecting a salary in the range of $〇〇 to $〇〇.”
(自身の経験と市場水準を考慮し、〇〇〜〇〇ドルの年収を想定していました)

✅ 福利厚生を含めた総合的な交渉

“Could you share more details on the housing allowance, relocation support, and health insurance coverage?”
(住宅手当、引越し支援、医療保険の詳細について教えていただけますか?)

✅ 柔らかく調整をお願いする表現

“Is there any flexibility in the proposed salary?”
(ご提示いただいた給与に調整の余地はありますか?)


国別の給与交渉に関する文化的注意点

国・地域交渉文化の特徴
🇺🇸 アメリカネゴシエーションが前提。初回提示額は下限と考え、交渉しないと損することも
🇬🇧 イギリス比較的穏やかな交渉文化。合理性とロジックが重視される
🇩🇪 ドイツ正確な情報と職務内容の理解が重視される。即決は避けて構わない
🇨🇳 中国年収交渉+成果に応じた変動報酬が重要視される傾向
🇸🇬 シンガポール給与レンジの提示が一般的で、待遇や休暇も含めて総合交渉される

駐在員・グローバル社員の給与交渉で考慮すべき項目

  • 現地通貨換算と為替リスク
  • 駐在手当(赴任・住宅・子女教育)
  • 帰国後の処遇(ポスト・昇格条件)
  • ビザ取得や就労許可の手続き
  • 退職金・社会保障制度の扱い(現地or日本)

成功事例:海外給与交渉での昇給例

ケース:30代・ITエンジニア/シンガポール勤務希望

  • 初回提示:年収80,000 SGD(約880万円)
  • 自身の日本でのマネジメント経験と現地の生活費水準を提示し、交渉
  • → 結果:年収92,000 SGD+住宅手当(月2,000 SGD)に増額されオファー受諾

まとめ|海外での給与交渉は「情報・タイミング・言い方」がカギ

海外での給与交渉は、国内とは異なる文化・制度・評価基準の理解が必要不可欠です。丁寧に準備し、正当な理由と丁寧な言い回しをもって交渉することで、あなたの価値にふさわしい条件を得ることができます。


✅ 最後に押さえておきたいポイント

  • 海外では給与交渉は“当然の権利”。ためらわずに、しかし丁寧に交渉すること
  • 相場・税制・福利厚生を含めた総合報酬ベースで比較・交渉する
  • 英語表現は「柔らかく、誠実に、ロジカルに」伝える
  • 文化の違いを理解し、国ごとに適切な交渉アプローチを取る

海外勤務や外資系企業への転職は、キャリアにとって大きな飛躍のチャンス。給与交渉を成功させ、納得のいくグローバルキャリアを築いていきましょう。

ABOUT ME
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キャリアアドバイザー
人材サービス会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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